2話 新たなスキル!
「じゃあ、行こう。第3の魔王の元へ!」
「おう!」
リズの姿になり、序盤の森の中を2匹は走り出した。
「あ、そういえばストックは溜まった? さっきの魔王、サイズはでかいけどそこまで肉の詰まったやつじゃなかったし」
「んーMP全回復2回分って所だな」
へぇ、結構簡単にたまるんだ。スライムって燃費いいな。
「あ、そういえばスキル増えたんだよな俺」
「魔王倒してから?」
「あぁ、なんか、『言語理解』ってヤツ? なんなんだこれ?」
言語理解…名前からして他言語を理解できるようになるスキルかな? 冒険者のスキルにはそんなの存在しなかった。冒険者は話す言語をまとめて自動翻訳されてたから言語なんて感覚なかったな。種族によって言語が違うみたいだし、もしかしたら全種族と話せるようになるスキルなのかもしれない。
なんでスラスケだけなんだろ? 魔王を吸収したから? 魔王クラスには吸収特典があるか?
「たぶんだけど、他の種族の奴と話せるようになるんじゃない? 人間とか、他の魔物とか」
「へぇ、面白いな」
他の種族の奴がどんな感じの会話してるのか気になるし、今度盗み聞きしてもらお。いや、会話できてしまったら殺すのがちょっと可哀想になるかもしれない… スライム的な感覚だとそうでも無いのかな? 人間の感覚からするとちょっと気が引ける…きがする。けどやっぱり気になる。
1人そんなことを考えているとスラスケが話しかけてきた。
「ここからどれくらいでつくんだ?」
「んー、1日掛かるんじゃないかな? また人間の通る道を通らないと行けないし」
「そんなにかかるのか」
仕方ない。魔法で飛ばされたからわからないだろうけど、ここって、人が通る街道からかなり遠いところにあるから。本当はが移動を渡った後丸一日かけて走っていく予定だったし。
てか、さっきの魔王倒してもレベル上がんなかったんだよなぁ、やっぱステータス差が大きかったから経験値も少なかったんだろうなー。もうこの辺りに強いやつはいないし、第3の魔王倒したらとっとと非遮平原に行こ。
陽が落ちて月が上り、また陽が昇る。2匹は前に通った森の間にある街道まで来た。
「道の脇に止まって様子を見よう」
「つっきればいいだろ?」
「ダメ」
こいつは冒険者を理解してないな…数の暴力がどれだけめんどくさいものか理解してない。
「スラオが言うなら、仕方ないな」
やっぱり人が居る…スラスケが言ったように押し通るか…? 別に勝てないことは無いし、ステータス的にも圧倒的に勝ってる。いやでも…もし魔王認定されたら今後冒険者から追い回されることになるから…やめとこう。
と言うか、スラスケがお前って言うこと減ったんだよな、前はことあるごとにお前お前いってたのに、1回危機を体験してから名前で呼んでくれるようになった。スラスケなりに僕の扱いを変えてくれてるんだろうなと思う。
「ん? なんか言ったか?」
「え…? なんも言ってないけど? あっ、もしかして人間の言ってることがわかるんじゃない?」
「スラオじゃないってことはアイツらか!」
どうやら、言語理解は本当に他言語を理解できるようになるらしい。
「会話できるかやってみて? 念話を飛ばす感じで」
「おう!」
『おい』
待て待て…初対面においって…さすがにそれは無いだろ。いやまあ、冒険者は舐められないようにってわざとそんな口調してるやつもたくさんいたけどさ。人間と話したことないから仕方ないのか…。あ、あの全身鎧の男に話しかけたんだな、周囲を確認してる。
『…女? なんの用だ』
「すげえ!! 会話が通じた!!」
「良かったけど、返事返さないと!」
「話すことない」
「おい。って…まぁいいか。じゃ、あの集団が過ぎ去ったら僕の「撃進」でここ突っきるから、掴まって」
そういうとスラスケが、身体に触手をまきつけてきた。
さっきの人間が言ってたから改めて思ったけど、スラスケって女なんだよな…これを人間の姿でやってたら間違いなく過呼吸でぶっ倒れてた。声からしておそらく擬人化したら可愛いし…
そんなことを思って浮かれながら、ひとつの団体が過ぎ去った後に、撃進を使って冒険者たちの目の前を突っ切った。もちろん、ステータス的にも100以上の差のある相手だ。当然目では追えないのでバレずに突破できた。
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新連載始めました〜
よかったらこちらも1度目を通していただけると幸いです!
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