第12話


その日の部活は少し・・・・・・…いや、大分気まずかった。


神田を不用意にからかったことを密かに反省するとともに、少しとは言えど『そういう』感情を持つアイツを少し羨ましく思った。


俺は、体裁とか、外面を気にしてばかりで。



「アガ、昨日ミスばっかしてたよな?」


うっせ、やかましいんだよ。…… 割方ひっつき虫の萩野が日課の如く絡んでくるのをあくまで軽くあしらいながら朝礼を待っていると、突然、廊下側の真ん中の窓が開いた。豪快に開けられた音にそちらを向くと、見知った顔があった。



 その人物は暫く目的を探すためにあちこち見回していたが、意外とそれは早く見つかったようでそこに視点を定めた。


………あ、俺?

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