69話 【さくらの悩み】
「もしもし、ゆみかちゃん?」
「もしもし。はい、そうです」
いじめられていた(ふーくんに前告白していた)女の子、ゆみかちゃんと連絡先を交換し、電話を始めたところです!
「えっと…おせっかいなことしちゃってごめんね」
そもそも今日知り合ったのに突然電話しちゃったからよくなかったかな〜。
「大丈夫です…。あの、さくらさんに聞いてほしいことがあって…」
ん? 私に聞いてほしいこと…ふーくんに告白したことかな?
「うん、聞くよ〜」
「その…さくらさんに嫌われてしまうと思うのですが…」
え。なになに、ちょっとこわい!
「う…うん、大丈夫」
「私…相澤先輩のことが好きだったんですけど」
おぉ、やっぱりふーくんだ! 好き“だった”ってことはもう好きじゃないのかな。
「うん」
「その、私が脅されていることなんですけど」
おぉ、急に路線変更!
「相澤先輩をその何度か盗撮してしまったことがありまして…」
相澤先輩…盗撮…。
「えー!?」
「す…すみません。ほんとに悪いことをしたと思っていまして、でも、その言い訳になってしまいますが…。あの、サッカーをされてるところとか、そういうところをと言いますか、決して覗きをしたとかではなくて…」
ん? もしかして…
「放課後適当に遊んでるふーくんとか、かっこいいな〜って思った時にふーくんを撮ってたってこと?」
「はい、すみません…」
「それを印刷したり…?」
「いえ、してません! あの、スマホで撮って…2,3枚くらい…」
「え、2,3枚なの?」
「は…はい、すみません…」
「うーん、私はふーくんじゃないからわからないけど。なんかファンって感じだね〜。怒ったりしてないよ、好きな人の写真ほしくなっちゃっただけだもん! まぁ盗撮はダメだよ〜」
「…」
あれ、聞こえてないかな。
「あれ、ゆみかちゃーん! 聞こえる?」
「…ぅ、は…はい…」
え、え。泣いてない!?
「ご、ごめんね。ゆみかちゃん! 私傷つけること言ったかな!?」
「ちが…すみません。あの、許して頂けると思っていなくって…」
「え?」
「その…ずっと誰にもバレないようにしてて、バレたら相澤先輩はもちろんさくらさんに嫌われてしまうと思っていたので…」
わぁ、私たちにバレないようにってあんないじめ受け入れてたってことか…。
「ゆみかちゃん!」
「はい」
「私は怒ってないし、ふーくんだって怒らないはずだよ? まぁゆみかちゃんは伝えたくないだろうから、ふーくんには秘密にするとして…あんないじめっ子たちの言うこと聞かなくていいんだよ!」
「さくらさん…」
「まだ何も思いついてないのに勝手なこと言うけど、一緒に解決策を練ろう!!」
「ありがとうございます…。その前にさくらさんにもうひとつ話したいことがあります…」
「ん? なーに?」
「私今は相澤先輩を好きとかではなくて、相澤先輩とさくらさんのカップルが好きです。勝手ながら応援…というか、その好きでいさせて下さい…」
「うふふ、なんか嬉しいー! 応援してほしい! よーし、私たちのファンのために頑張るぞー!」
「…ありがとうございます!!」
何も思いついてないし、どうなるかわからないけど。私とふーくんを好いてくれているゆみかちゃんのために、いじめっ子たちを撃退してやる〜!!
(盗撮はしてはいけませんよby作者)
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