50話

「ふーくんお久しぶり〜!!」

夏休みも終わりに近づき、さくらが遊びに来ました!! 久しぶりに会えてテンションが上がりまくりですが、バレないように冷静でいます!!!


「おぅ、久しぶり」


「ふーくんにね、お土産買って来たよ〜!」

さくらは家族旅行帰りだからか、俺に久しぶりに会えたからかテンションが高いご様子です。


「まじ? ありがと」

お土産かぁ。何買って来てくれたんだろ。…あれ、俺も買ったぞ。作者に省かれた家族旅行で俺もさくらにお土産買ってたな! よーし、さくらから受け取ったら俺も渡すぞ〜!


「じゃじゃーん!」

自分で効果音言うタイプね。


「お?」


「これは〜、クッキー的なお菓子でーす!」

そっか、さくら北海道行ってたもんな。うまそう…。


「ありがと、めっちゃ食うわ」


「あはは、大事に食べてくださーい」


「はーい」

…俺もお土産食いもんにしときゃよかったな。今更気にいるか迷ってきたわ。タイミング的には今渡すべきだよな。気に入らなくてもさくらは喜んでくれる人だろうし…渡すか。


「ふーくん、どうしたの?」


「ん?」


「すごーく、悩んでます! って顔してた!」

…まずい、さくらにバレた。ここはもうお土産の話だな!


「いや、俺もこの間お土産買ってきたんだよな」


「え、ほんと!! 嬉しい〜!」

買ってきただけで喜んでくれる、ありがたい。


「ちょっと待ってな」

机にしまってたから…。


「ふーくんは京都だっけー?」


「そうだよ、母さんが行きたがってたからな」

秋にーとか言ってたのに父さんの“秋は忙しい! 夏だ!”とか言うノリで連れてかれたんだよな。まぁ、普通に楽しんだんですけど。


「京都もいいね〜、いつか一緒に行きたいね!」


「おぅ、そうだな」

さくらには和装してほしい…絶対かわいい!!! って、妄想してる場合じゃなくて…お土産だよな。


「さくら、これ。お土産な」


「おぉ、包まれてる…。なんだろ〜」

気に入ってもらえるだろうか…。


「わぁ〜! 櫛? かわいいー!!」

よかった、喜んでそう…。お土産見てる時に女性たちがかわいい〜って話してたとこを見に行ったら店員さんに話しかけられて…人生初の“彼女さんにプレゼントですかー?”を体験したんだよな。結果、店員さんのすすめで櫛を買おうと決めて、さくらが好きそうな柄を選んだんだよなー。


「ありがとー! かわいい櫛見たら浴衣着たくなるな〜」

なるほど…。今年花火大会行ってなかったなぁ。夏休み最後に近くで花火大会あるし…誘っちゃいます?


「その櫛だったら日常使いしてもオシャレって店員さんが言ってた」


「そうなんだ、上級者〜! えへへ、使ってみよう! ありがと〜」


「いえいえ、どういたしまして」

さくらのそんな笑顔見れるならもう何個でも買ってあげちゃう!!


「ふーくん、28日って予定ある?」


「んー、ないかな」

28…。あ、花火大会!


「一緒に花火大会行かない?」


「おぅ、俺も思ってた」


夏休みの思い出ラストはさくらとの花火大会になりそうです!

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