冬も、彼女はアイスコーヒーを頼む

彼女は、うちのお店で、いつもアイスコーヒーを頼む。寒い冬になっても、彼女は毎日足を運んで、買ってくれるんだ。


僕は、ただのアルバイトで、彼女とは何の関係もないけれど、いつも来てくれる彼女のことを、僕は気になっている。


寒くても、アイスコーヒーを買ってくれる彼女を、僕はいつもお腹を壊すんじゃないかって心配してる。それに加えて、どうしてなんだろうかと疑問にも思っていた。その答えは、彼女達の会話で分かった。


「ねーねー、どうしていつもアイス頼むのー?」

「寒くないの?」

「うん、大丈夫、大丈夫! 私、猫舌だからホットの方が苦手なんだよ〜」

「そうなんだ。それにしても、ほんといつも買ってるよね」

「うんうん」

「そうなの! ほんとここのコーヒーは美味しいんだよね〜! ここのコーヒーなしではやってけないよ」


彼女のその言葉に、僕はつい笑みがこぼれそうになった。嬉しいな。別に僕がこのコーヒーを発明したわけじゃないのにね。でも僕は、その言葉が嬉しかった。


これからも、うちのコーヒーが彼女を支えますように。


僕は、心の中で小さくそう願った。

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