前を向く私

前を向く私は、いつも、いつでも、悲しい顔をしている。だが、誰もそれを知ることはない。


名前順の席で、1番最後の名前である私は、1番後ろの端の席になった。


私はこの席を気に入っている。1番後ろで端なので、一斉にみんなを見ることが出来る。決して、他の教科の勉強を授業中に出来るから気に入っている、というわけではない。



あと少しで、私の心のメーターは振り切れてしまいそうだ。今現在、ギリギリのラインである。


素直になれるのは、真の顔になれるのは、授業中だけである。その時間だけなら、友達に見られることはない。みんなみんな、前を向いているから。


授業が終われば、また私は顔を偽らないといけないのだ。


“トモダチ”に心配をかけるから。


取り繕った笑顔で、私は今日も生きるんだ。



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