エピソード14
「森子ちゃんー!僕、倒してきたよ」
「その鳥何?」
「これはクックルーという癒物だね」
「へー」私は漠然としていた。
「これも僕には育てられないから森子ちゃんにあげるね」そう言って私の掌に乗せてきた。
掌にすっぽり入るサイズだ。育てたらどれだけ大きくなるだろう。考えるだけで恐ろしくなりそうだ。もしかしたらクックルーに乗って空を飛べるんじゃないか……?
白い羽が美しく、体は白で
「ありがとうございます」と私は礼をした。
「倒してきたって何を倒したの?癒物でも戦闘出来るの?」と質問した。
「巨大な火の鳥だよーあれは強かったね。癒物でも僕くらい成長して、強くなったら出来るかな。負けそうになって癒物召喚しちゃったっ」と今までの経緯を話してくれた。
「火の鳥……凄いですね。その鳥からクックルーを獲得したのか。癒物召喚って癒物は癒物を育てられないって言ってたじゃないですか、どういう事ですか?」
「ああ、それはオズの癒物でね。借りてるの」
何故かコリーナとルラとソヨーテも出てきた。Yキー押してないのに。
「私の癒物勝手に出てきてる……!これって一体?」私は思った事を口にした。
「仲良くしたいんじゃないかな」とカインは呟いた。
「あとオズって呼び捨てにしていいんですか?盗聴器仕掛けられてたら怒られますよ。それじゃあ、熱さが無くなった理由だと思うんですけど、この子達もオズさんの癒物なんですか?」と私は言った。
「盗聴器って何?その水属性癒物達もオズから借りてるよ。あと呼び捨ては了承されてない。だから見つかれば怒られる……」とカインは言う。
「だったら早めに直したほうが良いと思います」
「盗聴器知らないんですか?何処かにくっつけて、録音する装置で日本では有名だったんですけど」
まさかスマートフォンがあって盗聴器が無い世界とは。驚きが隠せなかった。(ひょっとして現代より遅れてる??いやいや、それだったらスマートフォン発明されてないし。)不思議に思っていた。
「知らないね」
この洞窟を抜けなければならない。そこら中の火のせいで明るいけれど、酸欠で死にそうだ。
「森子ちゃん、顔色悪いけど大丈夫?」心配されてしまった。
「大丈夫です、大丈夫だと思います」
「また倒れられても困るからね。最悪、救援要請も出来るけど。僕じゃ手当て出来ないから」とカインは吐き捨てた。
洞窟は狭く、天井が低いからかなり注意が必要。
「頭、気を付けてね」
「はい」
「道、こっちで合ってる?」
「それはカインさんが分からないと私も分かりません。だけど、一本道だから合ってるんじゃないですか?」と恐る恐る言った。
「そっか。あと“さん”付けなくていいよ」とカインは言った。
「じゃあ、お言葉に甘えて」
長話をしているうちに洞窟から脱出した。来た時は一時間くらいだった。それが帰りだとおかしな事に三時間はかかってしまった。その事も不思議に思った。
洞窟を脱出すると辺りはオレンジ色に染まっていて、夕暮れ時だとすぐに分かった。
「帰る場所どうしよう……」
「だよね、
レノさんと一緒の時は森で生活していた。短い間だったけれど。ハンモックを木に括り付けて寝ていた。虫がうじゃうじゃいて、私がぎゃーとか言ってたけどレノさんは勇気づけてくれて、きつい香水の匂いで虫をどっかにやってくれた。ただ、香水の強い匂いだけが残って最悪だったけど。それはレノさんには言えなかった。だって、虫から守った結果だから。
「じゃあ、とっておきの
案内された場所は白い壁で煙突が茶色のみすぼらしい小屋だった。
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