エピソード8
笑顔ではにかむ彼を見ていたら、ふとある事に気づいた。
(あれ?他の人にパワーをあげられる気がする……今なら空を飛べるかも。物を別の物に変化させる事もできそう……これも、ひょっとして夢のせい?)
「オズさん、私変なんです。今なら空を飛べそうな気がするんです。何故だか、魔力のようなモノがみなぎってきます……」と私はオズに訴えかけた。
そしたら、「その手前のXを押してみな」と言われた。
言われるがまま、押してみるとステータス画面が表示された。
ある一点が目に止まった。魔力値268……。(ん?)
「あのなんでこんなに魔力が貯まってるんですか?」と思わず聞いてみた。
「貧血の処置と一緒に私の魔力も注入しておいたんだ」とオズは言った。
「オズさんの魔力値は減ったりしないの?」と心配した。
「俺、あ、いや私の魔力は減らないから、心配しなくて大丈夫だよ」
そう言う彼に、森子は「魔力減らないって凄いですね!あと、一人称は“俺”か“僕”か“私”のどれでも大丈夫ですよ」と付け加えた。
だが、オズは「常に
「その、
しかし、「それは帝国の皇帝様に言ってくれないか?」とあっさり論破されてしまった。
「色々と難しそうですね……公爵様ですもんね、オズさん。そんなオズさんに今回は手当てをしてもらって、心配まで懸けて、すみませんでした」
「いいよ。気にしないで」
さっきのキー(ボタン)はQがヘルプ・ガイド、Xがステータス確認、Yが癒物召喚・選択、Zがクエストの攻撃したり、防御したりする画面への切り替わりらしい。まるでDSみたいだ。
オズさんと雑談したり、のほほんとこんな風に会話していたらレノさんと見知らぬ
レノさんは持っている剣を振りかざし、私に向かって走りかかってきた。
「一般庶民でも無い、異国からの人間のくせにふしだらよ!最低ね、頭腐ってるっ」怒鳴り散らされた。しかも、レノさんは泣いている。
「うわああああっーー」こっちに走りながら近づいてくる。
(もう私の命は無い)と諦めたその時……
「止めるんだっ」そう言って
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