故郷
何にも乗らず歩いていける
そこは空き家の薄茶色
ぼうぼうと生える草
整えてあった木は四方に伸びて
木棺である。なるなる家鳴り
よるよる静か。棺の中は
黴臭い、空気も入らず
憂鬱、憂鬱
帰る場所が消えて久しく
燃えに燃えてなくなれば
ぼうぼう夜に映えるだろう
故郷消えて泣きはしない
中に思い出、忘れ物
それは透明、忘却に
誰も彼もが故郷の
主人を忘れて其処は底
ざあざあ降ってごうごう吹いて
我が故郷は無くなりし
思い出なくし、殺意はありし
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