第10話 神滅の月十八日・新しい命の誕生 ②

 そう思っていた我が、本当にバカだった。


「お腹に…… お腹に何が動けている…… 動かないで…… 痛いよ!」


 暖かい魔力がお腹に集中した後、全身に循環していた。再びお腹に集めていた。しかし、今回は暖かい感じじゃない! お腹が締め付けられるような陣痛が始まってしまった!


 これが生産の痛みなのか!! 体の外観があんまり変わっていなかった。お腹もさっきと同じ平たいのに、子供はどこにいるよ!!


「また来るか!! 腰が…… 腰の骨が砕ける!!!」


 腰の上をドラゴンに踏まれてしまったようだ。骨が粉々になってしまった!!


 今まで、我が色んな死に方を体験していた。しかし、死のことは、生産の痛みと比べ物にならなかったよ!! 次元が違うよ!!


【魔物接近中!カエル3体です!】


 三匹のカエルが水からに飛びあがった。我の姿をじっと見ていた。


「何じろじろとこっちを見ているのよ!! 死にたいか!!」


 カエルたちがまるで恐怖なものを見たように、水に逃げちゃった。


 怒りが痛みを和らげたようだ。さっきよりちょっと軽くなっていた。


「まだか! まだ終わらないか!! だ…… 誰が…… こ…… 殺せ!!」


 陣痛の間隔がだんだんと短縮になってしまった。歯を食いしばって、両手が拳を握って、渾身の力で叫んでいた。


「絶対! 絶対に耐えてみせろうううう!!!」


 ……


【魔力採集完了!今すぐタマゴを生成します】


 陣痛が止まっていた。腹部から四つの光が外に漂っている。これは…… 生命力の鼓動が聞こえてきた! 


 光が緩めて苔の上に落ちており、四つのタマゴに変わっていた。


「は…… は……」


 息が荒っている我が、四つの命を見って、笑っている。まるで先ほどの痛みを起こらなかったようだ。


 四つのタマゴは色違い。そして、上に異なる模様な紋章が付いている。


 すべてを飲み込む闇のような黒いタマゴに、コウモリ模様の紋章を付いている。


 夕焼けのような美しい琥珀色のタマゴに、ドラゴンとサクラという花の紋章が付着している。


 日輪のように情熱的な赤いタマゴの紋章は、すべてを燃え尽くす炎である。


 三つのタマゴは、別々にクラインさん、セツナさん、そして夏凛さんだよね。それじゃ、最後のタマゴは誰?


 輝いている銀色のタマゴに、三つの首が生えていた犬の紋章が付いている。


『本当に面白いヘビだ。もし生まれ変われるなら。あんたとひざを交えて話し合いたいな!』


 これは、血の地獄に死んでしまったケルベロスの遺言だった。


「そういうことか! なるほど! 我もあなたと会いたかったよ!」


 ……


 そうだ。サポートシステムで、子供たちの状態を見てみよう! 


【名前:なし 種族:? 性別:オス レベル:1 種族ランク:? 種族レベル:1 HP:? SP:? 攻撃力:? 精神力:? 防御力:? 魔法防御力:? 素早い:? 状態:孵化中 スキル:???】

【名前:なし 種族:? 性別:メス レベル:1 種族ランク:? 種族レベル:1 HP:? SP:? 攻撃力:? 精神力:? 防御力:? 魔法防御力:? 素早い:? 状態:孵化中 スキル:???】

【名前:なし 種族:? 性別:オス レベル:1 種族ランク:? 種族レベル:1 HP:? SP:? 攻撃力:? 精神力:? 防御力:? 魔法防御力:? 素早い:? 状態:孵化中 スキル:???】

【名前:なし 種族:? 性別:メス レベル:1 種族ランク:? 種族レベル:1 HP:? SP:? 攻撃力:? 精神力:? 防御力:? 魔法防御力:? 素早い:? 状態:孵化中 スキル:???】


 何故!? どうして全部不明なの?


【この世界に存在していなかった種族です】


 なにいいい!!! 我の子が、存在しない種族なの!? これはどの意味?


 まぁ! それはどうでもいいよ。可愛い子だもの。


 ところで、赤ちゃんが何を食べるの? 母乳なんて我がないよ!! ラミアーに進化したから、生肉を一度食べたこともなかった。


 でもよ、赤ちゃんに生肉を食べさせるなんて、できる母があんの? はやり、果物とかを探そう! マップ探索! 果物!


【地下迷宮には一致するモノがありません】


 ないか…… それじゃ、体力が少し回復したら、この子たちを連れて、外に行こう!


 これで、すべてが思う通りにしよう! 


 しかし、この時に、周りの水位が急に上がっていた。一瞬だけで天井までに水に充満していた。


 子供たちは!? 子供たちはどこ!!


 一瞬に起こったことにまったく反応出来なかった。気ついた時、タマゴは既に水で流されてしまった。


 その前に…… 岩!!! 早く助けないと!!!


 しかし、生産が終わったばかり我は、どうしても泳がない。タマゴと岩の距離があと僅かだった。


「我の子を…… 絶対に守る!!! 念力サイコキネシス!!!」


 念力サイコキネシスで自分を前に飛んで行った。


 あと少し…… あと少し…… !!


 やっと子供たちを胸に抱き締めて、守っていった。しかし、念力サイコキネシスの余勢で、左の肩が岩にぶつかってしまった。


「くっ…… !」


 痛みで左手は力が入らない。しかし、水の流れがどんどん速くなている。水流に流されてしまった。意識が失ってしまった。ただし、無意志的に、痛みを耐えて、必死で子供たちを守っていた。


 ……


「ここは…… 外?」


 目覚めた時。目に入ったのは、青い大空であった。周りが穏やかな川と見渡す限り果てしがない森だった。


 子供たちは!?


 胸で命の鼓動を聞こえ出来た。大丈夫よね…… 


 ほっとした我が、再び気絶してしまった。


 …………


「フンフン~ フンフンフン~ これでようし! 後は可愛い子たちの誕生を待つだけよ!」


 我が森の中に、木の枝と葉、そして果物を集めていた。ふわふわなベッドを作っていた。もちろん、二度と我の側を離れないため、集める時は念力サイコキネシスでタマゴを傍に漂わせっていたよ。


 枝と葉で作られていたベッドに座って、タマゴをしっぽの上に載せている。急に風が起こる。赤い髪が風に靡いている。靡いている髪に沿って空を見る。


 僅か二日間の間に、傍の人が次々逝去した。そして、新しい命たちがもうすぐ生まれる。我が本当にいい母に成れるか? それはわからない。 でも、子供たちを守る気持ちが、永遠に変わらないよ!!


 何か、急に燃え上がっているようだ。こんな偉そうな言葉を喋るなんて…… 


 でも、世の中にいるお母さんたちにとって、これは極普通のことだよね。今は少しずつ母としての感じを見つけたよ!


「ポキー」とタマゴ次々とが割れていた。


 赤ちゃんたちが「わああ! わああ!」で泣き出した。


 これが、我の可愛い子供よね!!! あなたたちの成長を邪魔する奴、母は絶対に許さないよ!! 安心して、しっかりと成長してくれよ!


 子供が生まれた喜びに浸っていた我が、どんな辛い未来が待っているのか全然気づかなかった。

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