【オンライン】閑話:ガウのちょっとした野望
★☆★☆視点:【トラン・ガウガブ《森田雷刀》】★☆★☆
最近は拙者の活躍場所が脅かされているのではないかと、戦々恐々の日々を過ごしている。遅れて入って来たプレイヤー達や、古参の腕利きがグランスコートに集まりつつある。
しかも、住民達の能力値も異常な成長を遂げている。
この話はティフォナ妃やスノー姫、シュネー妃といった三人には、分からない事が多いでござろうが、周りの情報と照らし合わせてみても、住民達の能力値が極端に高い。
密かにスノー姫達を守ろうという、隠密防衛隊なるモノを組織している掲示板グループには拙者の場所を掠め取ろうという動きをしている不届き者まで居る始末。
そして最近になって気付いた事もある。
拙者には蔭から呼ばれる様な二つ名が全くないという事に気が付いた。
ケリア嬢やミカ嬢なんかは、掲示板グループの元締めとして、二つ名が付いているし、スノー姫やシュネー妃なんかも、陰ながら呼ばれている二つ名が付いている。
ティフォナ妃に関しては……本人が知ったらきっと落ち込むんじゃないかと思う様な可愛らしい二つ名が付いていたりする。
スノー姫は《白妖の軍師》シュネー妃は《妖精神軍団》とか呼ばれている。
ティフォナ妃というと《飼育員のお嬢様》……なんでそんな名前で呼ばれる様になったのか、少し調べてみた。そうしたら、よくウサギ達に囲まれて一匹一匹を撫でているシーンがプロモーション映像に流れていた部分を切り抜いた人がいて、それが広まったらしい。
スノー姫やシュネー妃も同じくプロモーションから切り抜かれて付いた名前で、かなりの有名になっているのだが、露店三人組から始まった掲示板グループに守られている。
ちょっかいを出そうとした人を、次々に取り込んでいるらしく、今では結構な規模になっているんじゃないかと思うのでござるが、詳細は教えてもらえなかった。
ケリア嬢もミカ嬢も笑って済ますだけで、詳しくは語ってくれなかった。
「すまないでござるな。諸君に今日集まって貰ったのは他でもない、町の警備を我々でも密かに守ろうではないかと思っているのでござるよ。初めから居た拙者達だって、もっと活躍が出来るはずでござる」
物思いにふけっている間に、何時の間にやら町に住まうモンスターの代表格が揃っていた。
「きゅ!」
「ふぃ~」
ウサギ達のリーダーやニンフィは賛成してくれているようだ。
やる気十分という感じで飛び跳ねたり、農具を高く掲げたりしてくれている。
「お主達もやってくれるんだな? それは良かったでござるよ」
イーゴさんの所に住まうデンドロや鍛冶師の家に住み着いたアライグマに診療所の梟達も活躍の機会を得たいと、拙者の呼びかけに集まってくれたのだ。
「それぞれに得意な事を活かして、この町を守っていくでござる」
拙者が手を出すと、他の皆も同じく手を合わせてくれる。
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