私の胸には穴が空いている


今まで詰め込んできたものは

その穴には収まらなかった


丸ではない歪な穴

どれをはめても埋まらない



今まではそうだった



私は少しずつ埋める技術を知った


だから

少しだけ歪さはなくなった気がする


教えてくれた人は

優しかった


私の手を取って

埋め方を教えてくれた


優しいその手はあたたかく

はっきりと力強く

私の冷たい体に

しっかりと教えてくれた


今まで私は

無理矢理に詰め込んでいただけ


型にはまらない大きなモノを

ギューッと押し込んでただけ


穴が塞がらないのは当たり前


だから

重ね塗りのように埋めていくね


急がず

焦らず

ゆっくりと



私は不器用だから

人の形になるのは先かもしれないけれど






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