石
誰もが持っている石
その対の石を誰かが持っている
周りは美しく宝石のようだ
しかし
手の中にある石は
くすんでいて光もしない
羨望は消えない
真っ黒で光すら通さない石
気付いた時には漆黒のように黒かった
手にしたばかりの頃は綺麗だっただろう
光煌めいて
美しい原石だったに違いない
叩きつけて壊してしまおう
羨むくらいなら要らない
醜いなら要らない
光らないなら
それこそ要らない
しかし
[ ]は
見つけてしまった
見つけるのはもっともっと先のこと
今世ではないかもしれない
綺麗に綺麗に磨かれて
完成した時に見つけるモノ
対の石が目の前にある
その石を見つけるには
もう一つ条件がある
壊そうとすると現れることがある
ワタシは壊そうと思った
その矢先に落ちてきた
まるで星屑のように
その石は
ワタシと同様にくすんでいるのだろうか
それとも
磨いたそばから傷付いているのだろうか
きっと誰にもわからない場所へ隠している
それを見てみたい
そして
不完全でも良い
重ねてみたい
互いに重ね合えたら
きっと笑うのだ
歪だね……と
でも
ぴったりだね……と
互いに笑って
石をくれた人に怒られるのだ
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