第788話 目をつぶる瞬間
ある日、深夜に風呂に入っていた時の事
夜、寝苦しくて1時に目が覚めた
体は汗でべとべとで、髪も額にぐっしょりとくっついて気持ちが悪い
シャワーを浴びてすっきりしてから寝る事にした
いつも通り、普通に体を洗い、髪を濡らして洗髪剤をつける
そして、洗い流そうと目をつぶる瞬間、ぬっと左目の隅に誰かが自分の顔を覗くような顔が見えた様な気がした
すぐに目を開けるが、当然誰も居ない
左を見ても、右を見ても、当然後ろも上も無人だ
「気のせいか?」
もしかしたら、自分の指がたまたま見えたのかもしれない
そう思ってもう一度髪についた泡を洗い流そうと目をつぶる瞬間、さっきよりもはっきりと覗き込むような顔が見えた
黒い髪で、目の黒いところが異様に大きく、首を90度曲げたような姿勢
何より、笑っているような雰囲気
(誰も居ない、誰も居ない、誰も居ないはず)
目をつぶったまま、しばらくじっとする。シャワーの音以外何もしない
しかし、シャワーに手を伸ばすと、誰かが自分の手を掴みそうで怖くて手が出せない
何分、動けずにいたか分からないけど、そっと目を開ける
「ほら、誰も居ない」
自分に言い聞かせるように、声に出して呟く
鏡を見るのも怖くなり、すぐに風呂を出る。すぐに寝るために、ドライヤーをかけて髪の毛を乾かす
ドライヤーの音が、霊を近づけさせない様な気がして少し安心した
そして、そのまま寝ようと目をつぶる瞬間
さっきよりもはっきりとそいつの顔が見えた
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