第749話 白い棒

こんにちは、山内花林です。


日曜日に道を歩いていると、横道が通行止めになっていました


工事でもなく、事故でもなく、ただ単に道を塞いであります


道はどこへ通じているのかは分かりませんが、舗装されていない土の道なので、おそらく私道なのだと思います


ふと、その近くの地面から何か突き出ているのが見えました


細い、尖った、白い棒の様なものです


そして、その棒はゆっくりと地面から生えてきました


すると、その棒は人の指の骨だと分かりました


どんどん地面から生えてきて、手首部分、腕部分まで生えてきた瞬間、急に肘が曲がって地面をダンッと叩きました


私は直感的に、このままここに居ては危ないと思って逃げました


一回だけ振り返ると、地面を掴んだ指が、さらに力を込めて地面から抜け出すような感じに見えました


ニュースで、そこから白骨死体が発見されたのだと報道されていました


十数年前に行方不明になっていた、小学生だったみたいです


事件なのか事故なのかは分かりませんが、最近になって発見されたのでしょう


年の近い私に助けを求めたのでしょうか? いえ、私が感じたのはむしろ、道連れにしようとする意志だったと思います

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