第733話 古民家
私達夫婦は、静かな場所に住みたいと山奥に忘れられた誰も住んでいない村へと来た
ある夜、家の周りに人が歩くような音がした
「ねぇ、誰か居るんじゃない? 泥棒かしら? 見てきてくれない?」
「泥棒なんて放っておけよ。別に取られるようなものも置いてないし。それに、泥棒じゃなくて肝試しか何かしにきた若者だろ」
「やだ。撮影とかされていたらどうしましょう。お化粧もしてないのに」
「それこそ、無意味だろ」
「なんですって!」
私が夫に突っかかる時、部屋のものを何か倒してしまった。外に居た何者かが、その音に気が付いた様で、私の家に足音が向かってきた
「おい、こっちの方から何か音がしなかったか?」
「したした。誰も居ないはずなんだけど……」
「ねぇちょっと、家に来ちゃったわよ。ちゃんと見てきてよ」
「分かったよ……」
夫が玄関の方へ向かう。ちょうど、玄関のドアが開く音がした
「ぎゃー、でたー!」
2人の若者は、夫の姿を見て逃げていった
「やっぱり、肝試しの若者だったよ」
「せっかく静かなところを選んで住んだのに……。また、移動かしら」
「はははっ、地縛霊になった俺たちが移動できるもんか」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます