第681話 凶器はハサミ

「はぁっ、はぁ、はぁ、はぁ……夢か……」


俺が目覚めたとき、寝汗ですごいことになっていた


外を見ると、まだ夜明け前だった。時計を見ると、4時を少し過ぎたあたりだった


「いくら会社でストレスがたまっているとはいえ、あんな夢を見るとは……」


俺はクソ上司を殺した夢を見た。殺したいとは思ったことはあるが、実際に殺そうとは思っていない


だって、そんなことをして捕まるなんてアホくさい。あいつを殺して俺が捕まらない方法があれば別だが


「ちっ、汗を流してくるか……」


汗を流し、いつもどおり朝食を食べ、会社へ向かう


「おい、聞いたか?」


「何の話だ?」


「職場で嫌われていたあいつが自宅で死体で見つかったらしいぞ」


「え? マジか」


「ただ、その件で警察が来ている。早く出社した奴はもう聞き取りが終わっているらしい」


「そうなのか。一体だれが……」


その瞬間、俺は夢の内容を思い出す


「午前3時ごろのアリバイを聞いているらしいぞ」


その後、防犯カメラに俺の姿が映っていた事が判明した。そして、凶器が俺のいつも使っている包丁だと言われた


だが、俺はやっていない。だって、本当にやったなら……


夢の中の俺はあいつの部屋に置いてあったハサミで殺したはずだからな


警察にはそう伝えておいた

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