第195話 更衣室で
これは、学校の更衣室での話です
私の高校は、スポーツが大変活発な学校でスポーツ推薦者もたくさん入ってきます
そこで、着替えのための更衣室が新しくなることになりました
今までは教室で着替える事や、更衣室があっても狭くてぎゅうぎゅうだったのですが、それが教室一つ分くらいの広い更衣室になりました
数クラス一緒に着替えることもあるので、個人のロッカーではなく、銭湯のように個別の鍵がついているタイプになりました
大会も近いと言う事で、夜の8時くらいになった時だったでしょうか
私は体育館を閉める係だったので、一番最後でした
更衣室は自動点灯になっているので、誰か居れば必ず電気が点きます
その時は更衣室が暗かったので誰も居なかったはずです
電気は5分くらいで消えると思うので、皆が帰ってから5分は経っているのでしょう
私が入った時に電気が点き、奥の方にある自分が荷物を入れたロッカーへ向かいます
ふと、手前のロッカーに鍵がついていないことに気が付きました
その時は、誰か他に居るのだろうかと気にしていなかったと思います
私は手早く着替え、制服に着替え終わった時、その鍵が閉まっているはずのロッカーが開いている事に気が付きました
「えっ、なんで?」
と言ったときに急に電気が消えました。そして、バタンと言う音がしました
私はパニックになって更衣室を飛び出しました
「あっ、荷物忘れた……」
私は迷いました。カバンを取りに行かないと、宿題も出来ません。しかし、さっきの出来事はなんだったのかと
私はまだ電気の点いている更衣室をそっと覗きました
すると、さっき開いていたロッカーは閉まっています。バタンと言う音はそこが閉まった音だったのでしょうか?
私がそっとカバンと取りに近づくと、そのロッカーが急に開きました。そして、恨めしそうに私を見る女性の生首が……
そこからの記憶はありません。私は気がついたらきちんとカバンを持っていて、自宅の玄関前に居ました
新品の更衣室なので、自殺者などは居ないはずですが……
それ以来、私は一人でその更衣室を使う事が出来なくなりました
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