第144話 9月になって

夏休みに入り、段々と薄くなっていく日めくりカレンダーを今日もちぎる




8月31日、明日から9月だ。小学校の新学期が始まる




夏休みの宿題も終わり、友達に会うのが楽しみだ




今日も天気がいいので、外で遊ぼう




そう思って道路に走り出した。そして、車に気づくのが遅かった




キキーッ。ドンッ




ぶつかる音がした後、僕の記憶は途切れた




目を覚ますと、病室だった




ここにも日めくりカレンダーが掛けてあった




カレンダーはまだ8月31日だった




「あれ、体が痛くない?」




すると、近くに誰かいたのか、「目が覚めたのか!」と言う声がした




「お父さん?」




「お前、もう1年も寝ていたんだぞ!」




カレンダーの8月31日は1年後だったらしい




僕は、その後も母や親せきと面会をしていたが、疲れているのかいつの間にか寝ていたみたいだ




目が覚めると、カレンダーはまだ8月31日だった。僕はいつもの癖でカレンダーをちぎる




しかし、ちぎったはずのカレンダーの下にはまた8がつ31日と出てきた




「あれ? プリントミス?」




僕はそう思ってもう一回ちぎった。しかし、次も8月31日だった。次も、次も




「おいっ、目を覚ませ! 大丈夫か?」




僕は目を覚ますと、足に激痛が走った




「痛い!」




「今、救急車が向かっている!」




僕は救急車に運ばれ、足の骨折によって入院することになった




病室のカレンダーは、日めくりではなかった


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