第37話 犬が

犬がいた




犬なんてどこにでもいるだろうと思っているだろ?




でも、野良犬なんて街の中じゃほとんど見かけない




首輪を着けていない犬なんて、誰かが保健所に電話するだけで回収されるだろうからな




俺は公園のベンチに座ってのんびりしていたんだ




そしたら、一匹の灰色の犬が歩いてきた




犬の品種なんて分からないが、少なくとも柴犬や秋田犬じゃないことは分かる、雑種だろうか




俺は万一噛まれたら嫌だなと思う程度で、犬の行動を何の気なしに目で追っていたんだ




すると、草むらに入って行って見えなくなったので、俺は興味をなくして山のほうを見ていたんだ




しばらくして、さっきの犬が骨を咥えて戻ってきた




なんで骨が?と思ったが、誰かにもらったか、たまたま拾ったのだろうと思っていた




まさか、ホームレスが白骨化しているなんて誰も思わないだろ?

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