第19話 交換日記
こんにちは、山内花林です。
友達から聞いた話です
その友達は、インターネットで知り合った小学生の女の子がいました
その女の子は病気がちで、なかなか外に出れなかったそうです
その代わり、時間はたっぷりあったそうです
友達は、交換日記をすることにしました
最初はネットの掲示板でやり取りをしていたのですが、友達は筆まめではありません
女の子を待たせる時間が長くなるから、1か月に1回書けばいいだけのノートでの交換日記にしました
1か月間にあったことをまとめて書くことになりますが、そうそうイベントなんてありません
その女の子はほとんど部屋の中にいるので、ネットであれをみたとか、こんなニュースがあったとか、大して面白いことは書いてありません
友達は、夏休みも近くなったので、楽しいことを書いてあげようと、いろいろな日程を書きました
女の子の日記には、祭りについては「楽しんできて」と書いてあり、別れのある映画を見に行きたいということについては「悲しんできて」と書いてあります
唯一、インフルエンザ予防接種については「苦しんだの?」と書いてあったそうです
一番楽しみにしていた遊園地については「本当に、楽しんできてね」と書いてあったそうです
しかし、その女の子は、実際に友達が行ってきた結果を見ることなく、病気で死んでしまったそうです
友達は悲しくなって、今までの交換日記を見直すことにしました
すると、漢字が一文字ずつ消えていたそうです
祭りで しんできて、映画で しんできて、注射は しんだの?、遊園地で本当に、 しんできてね
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