第16話 祭りの帰り道で

こんにちは、山内花林です。





七夕のお祭りの帰りの話をします





私の地元では、七夕には神社で小さなお祭りをします





小さいといっても、フランクフルトやかき氷などのお店もでます





店主は普通の集落の人ですけどね





私のような子供たちもいっぱい集まるので、夜の7時には終了します





私は、近いこともあって友達と一緒に来ていました





神社から家まで800mくらいでしょうか?





私は、何か胸騒ぎがして、先に一人で帰ることにしました





暗くなく、明るくもない、そんな時間でした





帰り道には踏切があります





遮断機もない、車の通れない小さな踏切です





遠くでカンカンと遮断機の音がします





私は踏切の前に立ち止まって待ちました





渡ってしまえば10秒もかからないでしょう





まだ電車は見えないので電車が来る前にわたりきれるはずです





しかし、この時の私は線路の向こう側が一層暗く感じました





電車が通り過ぎる時、電車の客車と客車の隙間に、黒い制服を着た女性が見えた気がしました





制服で、これからお祭りに行くのかな?と思いましたが、電車が来る前まではそんな人影がなかったことに思い当たりました





久々に見てしまったかなと思いましたが、電車が行った後には何も見えませんでした





気のせいだったかな?と思った瞬間、右肩に手が置かれました





「見えてるでしょ?」





左の耳にそうつぶやく声が聞こえました





私は固まってしまい、逃げることができませんでした





気配が消えたので、後ろを振り向きましたが、何も見えませんでした





そのまま逃げるように家に帰った私は、家の前に何かあることに気づきました





家の前に左手・・だけあったのです





「次は、足で来るよ」





そう右耳・・につぶやく声が聞こえたとき、私は気絶したようです





気が付くと、居間のソファーで寝かされていました





玄関前で倒れていたそうです





私は助かったと思い、ふとカーテンを見ると、下から足首が見えました

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