第8話 祖父の話
こんにちは、山内花林です。
これは、亡くなった祖父から聞いた話です
戦時中、お金よりも物々交換が主流だった時の事です
田舎に疎開に行った時、農家の人と服や金物を食料と交換してもらったそうです
祖父は、今でいうイケメンだったため、おばさん達からも普通より多めに交換してもらっていたそうです
しかし、疎開のためにそんなに多くのものを持ってきていなかったので、持ち物はすぐに底をついたそうです
田舎には、あまり若い人がいなかったため、祖父に一目惚れする人も多かったそうです
祖父は、悪いとは思いながらも、自分に惚れた人から食料などをもらったりしていました
あるとき、一人の女性がしつこく祖父に言い寄っていたそうです
祖父は、疎開が終われば関係は終わりだと思っていたらしく、条件付きで付き合うことにしました
その条件とは、毎日食事をくれる事
その女性は、毎日食事を作ってくれるようになり、祖父はこれで腹を満たせると満足したそうです
しかし、戦争が終わり、自分の家に帰ることになった時、その女性は関係を続けたいと言ってきたそうです
祖父は、正直その女性はタイプではなく、関係を終わらせたいと思っていたので、夜にもう一度会いたいと約束しました
ため池のそばに呼び出した祖父は、女性に目をつぶってくれと言い、女性が目をつぶったのを見計らってため池に突き落としたそうです
祖父はそのまま逃げるように地元へ帰ったそうです
それから数日後、家で寝ていた祖父は、夜中に気配を感じて目を覚ましました
すると、突き落としたはずの女性が、玄関に立っているのが見えたそうです
祖父は、自分を祟りに来たのだと思い、「何でも言うことを聞く!だから呪い殺さないでくれ!」と言ったそうです
その女性は私の祖母です
女性は死んでいなくて、祖父の事を追いかけてきたそうで、「何でも言うことを聞く」ならと結婚を申し込まれたそうです
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