第87話 閑話 リリス
うちはリリス=ナーニャ、こう見えてもサキュバス家の当主なんよ。
魔界の一角に城を構え、優雅な毎日を過ごしていたんやけど。
「暇やなぁ。」
雑事は全部家来がやってくれるし、うちの美貌をもってすれば家来じゃなくても言う事を聞いてくれる。
そんなある日、女神にならないかと誘いがあったんよ。うちはもともと能力が高かったこともあって女神予備軍にはなってたんやけど、うちに仕事なんて似合わへんと思わん? 能力の高さと実務ができることとは別やと思う。そんなわけでダラダラと数千年すごしていたんやけどな。
ラ「今度、まとめて女神への昇神試験を行うのだけど、あなたも参加するのかしら?」
うちは暇な毎日に飽きて刺激を求めていたのでその話に飛びついたんやけど、試験には自分でダンジョン攻略者を選定しなければならないらしいやんか。
選定者の条件は特にないらしいんやけど、自分よりも弱くないと言う事を聞かせられへんと思う。そう思って魔界で候補者を千里眼で探して、ラヴィ様から借りた鑑定眼鏡でひたすらステータスを見ていくが、正直うちの城の家来を使った方がマシなレベルばっかりや
「おらんなぁ。」
そう思っていると、でっかいお城を見つけたんよ。
「これがうわさに聞いた魔王城やな?」
見ると、ちょうど戦闘があったみたいでバタバタと兵士が倒れとる。まあ、蘇生すればいいから死体であろうと鑑定をかけていく。
「おっ、幹部っぽい妖魔見っけたわ。……だめか。」
うちは鑑定するが、うちより強い。パスや。その幹部から段々と入り口の方へ千里眼を使っていけば比較的強いもんが見つかるやろう。
そして、兵士の中でも比較的ステータスの高いダークを選定したんやけど、これがまた言う事を聞かへん! プライドが高いのか、じこちゅーすぎるわ!
頭の痛い日々を過ごしてたんやけど、魔界に異変があったらしい。眷属や家来からの報告で魔王城がすっからかんになったらしい。
「あのおっきなお城、うちの住居にしよ!」
そう思って家来を引き連れて魔王城内を片付けることにしたんやけど……。
「まさか、魔王が復活するなんてなぁ。」
うちは今でもあの威圧感を思い出すと体が震える。そんな気もしらず、ダークが話しかけてくる。
ダ「リリス、さっさと行くぞ。」
うちはダークに拳骨を落とした。
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