べんきょう
「海、少し話が……って、柚鈴だけ?」
昼休みの生徒会室に顔を出した明日香ちゃんは海君どころか小雨先生を含めたワタシ以外の生徒会役員が不在であることに気が付くと、少し気を緩めながら生徒会室の中へ入って来ました。
「休み時間まで仕事?」
「違うよ! 南帆ちゃん先生がワタシに用意してくれた数学以外の復習プリント! ワタシのことを思ってくれるのは嬉しいけど、量が多くてとても家では終わりそうも無くて!」
「南帆先生はうちの高校の中でもトップレベルで生徒思いだからね。ちょっと見せて」
明日香ちゃんはそう言うと、ワタシの解き終わったプリントを何枚か手に取りました。
「柚鈴って、前回のテストの学年順位ってどれくらいだった?」
「190位!」
南帆ちゃん先生にはもう少し順位を気にして欲しいと言われましたが、ワタシは特に順位を気にはしていなかったので恥ずかしがることなく即答しました。
「柚鈴、うちの学年ってピッタリ195人だって知っている?」
「もちろん! ワタシは生徒会だからね!」
「それってつまり、柚鈴が下から数えて6番目って事だからね。生徒会であることに誇りを持つならもう少し上の順位になれる努力をしないと。って、成績が中の中くらいの私が言うことでは無いけど」
成績が中の中というだけでワタシからしてみれば凄いことだとは思いましたが、明日香ちゃんの表情から察するに明日香ちゃんはまだ上の順位を目指しているようでした。
「このプリント、間違いだらけだから解き直した方が良いよ。私もわかる所は教えてあげるから」
「本当! 助かる!」
明日香ちゃんは自分の休み時間を使ってまで数学以外はさっぱり頭に入らないワタシにとても分かりやすい説明で勉強を教えてくれました。
生徒会議事録
柚鈴、昼休みの生徒会室は静かで良いだろ? 芹沢
勉強が捗った! 柚鈴
私は皆さんがいるときの方が好きですけどね。 小雨
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