第2話 セフレ彼女を持っ孫

結菜は朝早くバスに乗り込み

会社へ向かう。


一つ先のバス停で昨日屋上で

合った椿さんがいた。


フウッと吐く息が凍りそうな程

寒い朝だった。


「椿さん‼」

突然呼ばれて振り向くと


真っ白なマフラーに

ピンクのモコモココート

丈の短い黒のタイトスカートを

着た結菜がいた。


チョコレートブラウンの髪は

緩やかなカールを描いて

可愛らしい顔立ちの結菜がニッコリ

と微笑んだ。


「あら マア、偶然ってあるのね‼」

椿は結菜を見てビックリして見せた‼


椿は、グレーの上品なコートに黒の

スラックス短めのブーツを履いて

よっこらしょと乗り込んだ


「椿さん、バスも使うんですね。

以外‼」


「使いますよ。

便利だし‼」

椿はニコニコしながら答えてくる

笑う度にゆれる

胸元の金のネックレスが

華やかさを感じさせる。


お年を召しても細やかな肌に

元気な足取り

上品な顔立ちは昔は相当な

美人さんだったのだろう。


今も凄くきれいだ。



彼女はニコニコしながら

結菜の隣の席に座った。


「改めまして、

おはようございます。

同じバスなんて奇遇ですね。」


「はいはい、おはよう。

ホントね‼」

椿さんもニッコリと挨拶を返して

くれた。


暫くバスが走ると妊婦さんが

お腹を抱えて乗って来た。


「椿さんちょっと失礼します。」

結菜はサッと立ち上がり

妊婦さんの元へ行き


「この先から学生さんが

ドドっと乗って来るので良かったら後ろの席の方が安全ですよ。」

頷く妊婦さんを手助けしながら


「運転手さんちょっと座られる

までスミマセーン」

結菜は叫んだ。

50代の運転手さんはバックミラー越しにニコニコして頷いた。


結菜は妊婦さんを後ろの方へ連れて

来て座らせると運転手さんにむかい

「OKです。」

と又叫んだ、運転手さんは結菜の声

に反応するようにブルブルとエンジンをかけたバスは走り出した。


妊婦さんを守るように結菜は妊婦

さんの真横に立っていた。


「ありがとう。

何時も車で検診に

行くんですけど

今日は車を旦那が使ってて・・・」



「そうですか!

赤ちゃん楽しみですね。

どっちかなぁ」


妊婦さんはにこやかに微笑むと

「今日ハッキリ見えると分かるみたい」


6ヶ月ぐらいだろうか

お腹は丸くふくらんでいる。

妊婦さんはブルーのコートに

肩掛けをして

体を冷やさないように

していた。


そんな思いやりのある結菜を

椿は益々気に入り

光寿郎の嫁にしたいと心底

思った。


自然に気回しの出来る娘

周りが自然と明るくする

椿は結菜を眺めながら本当に

賢くて優しい良い子だと思った。



椿は、次で降りるからと言い

「ねぇ結菜、今度ご飯一緒にどう?」

と誘って来た。


「えっ💦」

突然誘われたので結菜は少し

ビックリ‼


「最近外で食べる気しなくて

結菜となら食欲湧きそうなの

どう?

可哀想でしょ、年寄り

なんだから、ね‼」


そう言うと椿さんはホホホと

笑った。


「勿論、いいですよ。

私あのデパートの4階の

ZIPANGツーリストに務めてます。

裏方の事務ですけどね。へへ」


ペロンと下を出し、笑う結菜に

つられ、椿さんもクククと笑った。


「じゃあ約束しましたよ。」



そう言うとバイバイと手を振り

椿さんは、バスを降りて行った。


後ろから2名のきちんとした

身なりのキツイ顔をしたおばちゃん2人が椿さんに続いて降りた。




結菜も椿さんが見えなくなる迄

手を振っていた。


椿はバスを降りると、自家用車の

待つ方へ後ろから着いてくる

お付のメイド2人を従え歩き出すと車に乗り込みバスで来た道を

Uターンして帰って行った。


「奥様、如何でしたか?」

キツイ顔のメイドは椿に聞いた


「思ったより、いい子だったわよ」

椿は緩やかに微笑んだ。






「ねぇ♡〜ねぇってばーぁ♡

光寿郎ぉ〜♡チュッ♡」

˘³˘♡


「ああ〜w」


気ダルイ身体を揺さぶられ目を

覚ます。

昨日の夜の相手の女、紗理奈が

ブラを付けただけの体でタバコを

吹かし長いサラサラとした髪を

かき揚げ真っ赤な

ルージュを塗っている。



「ああ、今何時?」


スッカリ外は明るくて太陽の光が

さしていた。

朝と言うのはとても苦手だ。


「八時半」

紗理奈は甘い微笑みを浮かべながら

答えて来る。


紗理奈の赤い爪と赤いルージュを

交互にみつめる。


胸のプルンとした膨らみに

手をやると

俺の顔にサラりと紗理奈の髪が

落ちてくる。


「ヤッパリ女はオネーサン系

じゃないと・・萌えないワ」


紗理奈は色っぽいトロンとした目

と、塗りたてのつやつやした

唇で


「ち、こ、く、しちゃうよ💋」


とゆっくり動いた。


紗理奈の腕を引くと

紗理奈は俺にベッタリと

倒れてくる。


柔らかい肌が悩ましい。


「そろそろ起きなきゃ専務さんが

遅刻は良くないわよ。フフッ」


そう呟くと引いたばかりの

ルージュをクルクル回しながら

唇をパッパパパと鳴らし

起き上がり又鏡を見た。



俺は堪らず又抱き寄せると

俺の胸板を撫でながらトロンとした

眼差しで誘ってきた。


「仕事イケって言ったり

誘って来たりどっちなんだ?」


「だってえ、又いつあえるか

わかんないし・・・

光寿郎、女いっぱいいるでしょう。」

紗理奈は俺の👂をカミカミしながら

呟いてくる。


「昨日あんなに可愛がってあげたろう

足りないのか?

ククク好きだなぁ〜♡」


紗理奈は又俺の首に、両手を回し

ギュッと抱きついて来る。

豊満な胸をちらつかせプルンプルン

柔らかい唇が俺の下半身の元気を

取り戻させた。


俺を誘ってくる、俺も即反応する。


ううう🐺もう堪ら〜ん。

お姉さん系の誘いは売れた桃のよう

に、甘い芳醇な香りを絞り出し


あーぁ蜂蜜の中にド〜ブンと沈んで

しまいそうだ。


ああ、トロケて仕舞いそうな甘い

その、瞬間に‼

ヴヴヴヴヴヴ ヴヴヴヴヴヴ ヴヴヴ

とスマホが音を立てた。



「チラッとスマホを見る」

無視無視‼

サイドハッスルハッスル


ヴヴヴヴヴヴ ヴヴヴヴヴヴ ヴヴヴ

ヴヴヴヴヴヴ ヴヴヴヴヴヴ


💢💢

OPEN画面に、九条椿と表示されている、


バーちゃんだ‼


☝シーと唇に指を立て


「黙ってろよ、静かにしてろよ

音立てるなよ、声出すなよ。」


紗理奈に注意しながら電話にでる。

紗理奈は気だるそうに立ち上がり

キッチンへと珈琲を入れに

行った。


しかし女と居るのはバレバレで

暫く説教食らったが

昼飯を奢れとせっつかれ渋々

了承した。



「紗理奈、帰るよ。」

つまらなそうな紗理奈を宥めつつ

ソファにポイ置きしたシャツを羽織


「又連絡するよ。」


紗理奈はフッと笑い

「約束よ!」


彼女は体を寄せ別れを惜しむ、

俺も彼女の華奢な腰を抱きしめる。

首にまわした紗理奈の腕が俺の顔を

引き寄せ長いディープキスを繰り返す。


彼女のマンションを出て自分の

マンションへと帰ってきた。


エントランスを抜けエレベーター

に乗り、35階を押す。


中々気に入っている自分のマンションには女は連れ込まない。


ここは俺の癒しだ。

何時も会うのは彼女達のマンション

か、有名ホテル、ここに連れて行けば部屋に来たいと、せがまれない。


光寿郎にはセフレが5人いる

勿論彼女達も把握済み


それでも遊びでいいと言う彼女達

にはちゃんと本命がいる。

オレは、友達以上のセフレ


かと言って2番目ではない、俺が

会いたいと言えば海外旅行も

ドタキャンしてでも会ってくれる


俺は充分な、愛情を感じつつ

毎日を謳歌している。



タラシにはタラシのポリシーがある

モテ男の特権をフル使い‼




背広を着込みネクタイを締めながら

思う。


大体、あの婆様の誘いは百発百中

見合いだ‼

今度もどっかで見つけてきた令嬢

と、お膳立てをしながら待って

いるに違いない!


真面目、綺麗、上品、床の間に居る

お家柄の良い、お嬢様‼


無理無理無理無理

遊び慣れした俺には無理

結婚自体ナンセンス


だいいち🐺がお育ちの良い

トマト、レタス・・・食うか?

🐺の主食は、血の滴る生肉に

決まっている。


大体彼女5人いるし

不自由してないつーの‼


今更こんな自由奪われてたまるか‼

稼いでは家に帰り子供の面倒を

ピーピー言我ながら嫁のご機嫌とり

義両親に気を使いつつ

金を使い、挙句の果ては小遣い制


帰る時間を気にしつつ嫁の機嫌を

とる生活?


夜遊び・・・無し

飲み会・・・終われば真っ直ぐ犬みたいにハウス

お泊まり・・・禁止

破れば浮気発覚、興信所に依頼して

探偵付けられフルボッコ


結婚なんて墓場の入口

出口の無い牢獄‼

俺を臀にしこうってか‼➷


ヒェッ…ブルブルブル

俺がそんな人生の終わりに

飛び込むワケねーし‼

ナイナイってか、ぜーったいイヤダ

必ず阻止する‼


unbelievable


車を運転しながら来るべき未来を

如何に躱すかを考えていた。



ZIPANGツーリストの前に

待ち合わせ?は?


俺は待つのが苦手何だよ。

ぶつくさ呟きながら時間を気に

していた。



結菜は椿がニコニコしながら

支社長と話しているのを

目を丸くして見ていた。


今日、いやさっき別れたばかりの

椿さんがやって来た。


結菜が呼び出され今に至る。

支社長は汗をフキフキ


「ごもっとも、なるほど〜」

を繰り返し連呼


つい結菜はポケットに入れた小銭

入れを後ろ向きOPEN


野口さんが3枚


諭吉さんが1枚、ああそうだった

財布を忘れた日の為に、1枚

諭吉さんをいれていた。


「あ〜よかった、ランチぐらいなら

椿さんに奢って上げられる。」


結菜は┣¨‡┣¨‡していた胸を撫で

下ろしていた。


会社はガラス張りで外の様子も

中の様子も良く見える。

女の子達がキャアキャア言い出した。


椿さんはにわかに浮き足だった

女の子の姿を見て


「やっと来たか‼」

と呟いた。


女の子達の黄色い声を出させた

超本人を見て


「しょうがないねぇ」

と呟くと、支社長を見て


「連れていきますよ。」

そう言うと


「ハイハイ、どーぞどうぞドーゾ!」


それから椿さんは小さい声で

一言二言つぶやくと、汗を拭きなが

ら見送る支社長を後ろ目にニコニコ

しながら、結菜の所迄来ると


「行きましょ、結菜」

そう言って、結菜の腕を引き

ソソクサと結菜を連れて出て来た。


「結菜、支社長さんが

お昼からお休みしていいって、

勿論、お給料には響かないわよ。

お食事行きましょ。」



「ユーナ実はね!孫とお昼

待ち合わせなのよ!

最近孫と上手くいかなくてねぇ

良かったらユーナにいてもらうと

ありがたいの‼ 駄目かい?」



ああ💦そんな理由で?

私、半休とれるの?

椿さんって何者?


しかし、 急に椿さんが来た理由が

分かった。

お孫さんとの食事が苦になったんだ

椿さんの力になりたい。


「椿さん、歳は離れているけど

私達友達ですよ。

任せてください。」


結菜と呼んだりユーナと呼んだり

椿さんは気の向くまま

名前を呼ぶ。

クスッちょっと可愛らしい

頼み事の時は ユーナだ。



目をクリクリと力強く椿を見て

頷く。

“私がついていますよ“と

大丈夫アピールを結菜はしていた。
































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