第8話 謎の厳かな存在との接触
どうもフェニクスと白鴉ハクアは知合いのようだ。
それも仲の良い方向の知合い。
フェニクスは、ゆうやの発言を最優先に対応してくれる様だけど実直過ぎる
のも考えものだね。
魔物系ってそういう感じななのだろうか。
〜○〜
混乱がクルクル回る中、空に艶やかな色彩を帯びた
雲が〈フワフワ〉と漂い出て来る。
〈シャララーン、キンキララ〜〉
まるでお釈迦様のような荘厳な雰囲気が漂う。
何かが起きそうな予感がする。
★ 見〜っけた〜 ★
★ 捜した、捜した、ココに居たんだね! ★
唐突に艶やかな雲から声が響く。
★ ハクア、彼を頼むよ! じゃあね ★
〈キラキラ〜〜キラ〜〉
「お任せ下さい!」と、森の手前で〈パタパタ〉と
二羽の黒い大鴉に両脇を支えられた燃えてボロボロ肌も露わな
〝白鴉:ハクア〟が頭を下げて答える。
〈キンキララ〜、シャララーン〉と、
虹色の雲も消え、普通の空に戻る。
お釈迦様のような荘厳な雰囲気も消え去る。
なに、なに、なにー、今のは、天の声?虹色の雲から聴こえた。
なに〜?なんなの!
「あれなるお方様は、我らが主にして世の理と戯れ遊ぶ
絶対無比なるスペシャルボーイ様です」
と、〝火の鳥さん〟の興奮気味の説明。
ご主人様に一途なんだね、火の鳥さんは!
でも〝白鴉:ハクア〟は、仲間だと教えてくれたら良かったのに!
※ちょっと融通が利かないタイプそう。。。
森が近くなってきた。〝ハクア〟はもう目の前に居る。
いや〜、ばつが悪い。
〝ハクア〟の頭は〈プスプス〉と残り火が。。。
〝火の鳥〟が、森の手前で降ろしてくれる。
〝ハクア〟もそれに合わせて降りてくる。
両サイドの大鴉を振り払って、ヨタヨタと走り寄って来る。
顔が表情が、また〈デレデレ、レロレロ〉の恍惚の表情!
〝みなみ〟ちゃんが吠える、「やっぱ、ヘンターイ」!
「来るな!燃やして〜」
つられて「燃やして〜」とついリピートして呟いてしまった。
「仰せのままに」〝火の鳥〟さんが火炎を吐く!
「はああ〜、無慈悲なり〜」と〝ハクア〟の凜とした言葉が響く( >_<)
ヨタヨタと真っ黒く煤けた鴉が目の前まで歩いて来て、〈バタリ〉と倒れる。
小一時間経つ、白鴉:〝ハクア〟の回復力は凄い!もう白い鴉に戻っている。
※再三、炎が直撃した頭髪はチリチリのラーメン頭のままだけど。
〝みなみ〟ちゃんと僕は、バツが悪そうに〈モジモジ〉。
やおら、〝ハクア〟が真正面まで歩んできて
2礼して傅く。エっ、貴賓扱い。。。
「畏れ多くも“御君様”に拝謁出来たこと、末代までの誉であります」
凛々たる声音での見事な口上。
傅き下を向いている表情は、〈デレデレレロレロ〉だとは誰も気付かない。。。
〝みなみ〟ちゃんが横腹をつつく。
何か応えろと、眼を〈ギロンギロン〉させて顎で物を言う。
「えーと、どうもどうも」
「あのー、この世界に不案内なものでして危険が近づいていると
早合点しまして〝火の鳥〟さんに、〝ハクア〟さんが、
こちらにお越しにならないようにして下さいとお願いを
しまして。。。えー、まさかお仲間で、更には黒焦げに
成られるとは想像もしておりませんでした」
「こうなりましたら、出来る限りのお詫びを考えたく存じますぅ」
〝ハクア〟が、肩を震わせながらゆっくりと顔を上げる。
その表情は、〈デレデレレロレロ〉どころじゃない、
〈デレーんデレーん〉の今にも溶け出しそうな表情。
「さすれば、さすれば、我が君ぃ〜君の傍らに付従うをお許し
願えないでしょうか」〈うーーモジモジ〉
「その方が助かるよ!此方こそお願いだよ!」
〈ヒーー〉「なんと、なんと寛大なお言葉」と、
後ろ向きに〈バタリ〉と卒倒して動かなくなった。。。
「姫君〜」と〈ドタドタ〜〉黒鴉が慌てて駆け寄る。
「鴉の姫は、朝夕となく御君の話を聞かされながら育ったと
聞き及びまする、きっときゃつめには、
夢の連続なのでありましょうぞ」と、
〝火の鳥〟が凜とした声音で語る。
そうか〜そんな育てられかたなら、感動ひとしおだろうな。
悪いことしちゃったね〝みなみ〟ちゃん。
「これから優しく大切に接してあげたらイイんだよ」と、
〝みなみ〟ちゃんが云ってくれる。
そうだね、心音が見えたらそれを大事にしてあげるのが
優しさだね!
〝ハクア〟の意識戻ったら色々とお喋りしよう。そう決めた。
御君と呼ばれることの意味は不明のまま。
状況だけを受け入れる。
〜○〜
御君か〜。尊きお方とは…。まだまだ謎だらけ。
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