夜明け前


夜明け前

おれが水色と

向き合って

今後の方針について

語り合っている

水色は

おれに無理難題を突き付ける

そしてゆっくりと

騙すようにして明るくなってゆく空だった

夜と朝が切り替わる瞬間

それを誰かおれに教えてくれないか?

グレープフルーツジュースが勝手に転倒して複雑骨折

おれはぼんやりとそれが床に染み渡る模様を眺めていた

このまま曖昧な時間がずっと続けば

それでいいのに

でもそれは許されないんだろうな

そんなことを思っていた

水色は視界の隅で膨れ上がりおれの利き腕はそいつを殺したがっている


  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る