本物になりたい


むせかえるような光の中

おれはただ本物になりたいだけだった

視界に広がるあらゆる景色には

程度の差こそあれ嘘が含まれていて

そいつらに囲まれて

おれはひたすら夢でも見ているよう生きていた

ただ

自分だけは本物でいたかった

叶わないから望むのだ

おれは結局、本物になれなかった

それを受け入れるか拒絶するか

自分に出来るのはあとはそれだけだった

鏡に映る自分自身の姿を眺める

おれはただの紛いもの

何処にでも転がってる石ころ

洗脳を解き放ち自爆して視界の景色を木端微塵に吹き飛ばすべきかもな


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