皆殺し


やる気は無かった

全く無かった

昔はあった

でも無くなった

ただそれだけの話しだ

才能があっても駄目だった

お前の言いたいこともわかる

だが本当だ

わざわざこんなことを言わなくてはならないほど

おれはもう追い詰められているんだ

おれにだって謙遜することくらい出来る

猿じゃああるまいし

でももう我慢の限界なんだ

「とりあえず詩なんか書いてる奴等は全員、死ね!」

リサイクル不能の社会の屑

ファブリーズを打ち負かすほどの悪臭をぷんぷんさせて辺りをうろついている姿は犯罪の領域

意味のわからないことを鍵付きの個室でぶつぶつと呟き時折、自分の鼻糞を舌の上に乗せて味わう

一刻も早く谷底へと身を投げてくれ

でもおれは違う

どうしておれが賞に落選し続けなくてはならないのだろうか?

全く理解、出来ない

箸にも棒にも引っ掛からない

おれを評価しない連中は完全に終わっている

新しい感性を求めているとかぬかしやがって

それはいつだって上っ面の言葉だけ

結局てめーらの理解、出来る範囲の新しさしか求めていないのだ

死ね

希望の芽を摘み取って知らん顔して有機バナナを頬張っていやがる

猿どもめ

おれは必ず来世で殲滅を誓うぞ

皆殺しだ


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