プロポーズ

5月24日、私はニューヨークの産業系のハイスクールへ行った。


最後のプリント提出を終えたあと、卒業試験を受けた。


午後3時頃に試験が終了した。


最後に行く日は、6月28日の卒業式である。


9月にアメリカ合衆国本土にある医大へ進学するので、なにかと多忙になる。


イワマツを作るプロジェクトとさらに難易度の高い資格を取得することと医大の勉強とアメリカ合衆国の医師免許を取得することなど…


やらなければならないことが山のようにある。


その中で、やらなければならないことがもう一つあった。


アメリカ合衆国本土とイングランド地域とヨーロッパ西部地域とルーマニア・ハンガリー地域にある特大トランクルームに保管されている高価品の山を居住地の国と地域(財産書参照)にある地下室タイプの特大倉庫に移し替えることである。


高価品の山は、このまま放置すると1993年1月末に許容量を大きく超えてしまう…


使用期限は1993年1月31日なので、早めに運び出さないとトランクルーム自体がいかれてしまう…


早めに運び出し作業を始めるために、段取りを整えておく。


協議した結果、1992年8月1日の午前0時の時報と同時に運び出し作業を開始することが決定した。


時は流れて…6月28日…


私は、晴れて卒業の日を迎えた。


卒業式に出席した私は、卒業証書と同時に1~5月の国家資格取得試験で合格した証書と免状を受け取った。


卒業式のあと、私はミンジュンさんと一緒に敷地内を散策した。


その時に、ピロティのベンチに座っている20代後半同士の卒業生カップルを見かけた。


男性は、女性にすべてを告白したあと女性の右の薬指にダイヤの婚約指輪をはめた。


女性は、涙ぐんでよろこんでいた。


2人は…


結婚することを決めたのだ…


「ヨシタカさん…行きましょう…」


ミンジュンさんは、さびしげな声で私に声をかけた。


このあと、私はミンジュンさんと一緒にハイスクールを出て、再び旅に出た。

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