第19話 20200814 降参


せっかくのお休みなのに

仕事を持ち帰って来た君は

Word の画面とにらめっこ


席を外した そのすき

少しだけ恨みを込めて

打ってみる


あいしてる


席に戻った君は

だまって文字を消して行く


いしてる

してる

てる


むなしく消える 私の思い


飲み物を追加しに

席を立った君

今度は何と書こうかな


覗いた画面に踊る文字


知ってるよ


やられた 降参 待ってます

上書きされるのは承知だけれど

そっと セーブボタンを押してみた

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る