第41話仲間にしてほしそうにこっちを見ている。

それからある程度日にちがたった。


玲奈と一緒に寝た次の日は寝不足でダンジョンは中止という形になってしまった。


ダンジョンの20層を僕たちは攻略しようとしている。

ダンジョンの20層は難しいらしく、攻略が滞っているらしい。


そこで誰がいい始めたのか、大規模レイドをしようと言い出したのだ。

募集がかかったのはお父さんのギルドといつも大量の依頼達成をしてくれるギルドと他のいくつかのパーティーだ。


合計で100人になっており、なぜ僕が参加しているのかと言うと、ポーションだ。

僕のポーションを少しでも安く買うために僕を誘ったんだと思う。


僕はただでは配らず、900円でポーションを売った。

売れた。





僕たちレイドチームは(転移で)ダンジョンの20層にたどり着いた。

いつもどおりの扉があり、皆が緊張した顔で扉を見つめている。


誰かが扉を開けた。


『ギギギ』

という音とともに扉がゆっくりと開いていく。

扉が開いた先には『絶世の美女』がいた。


僕はその女性を鑑定する。


【クレナ】

〚状態〛友好


状態が友好?

そして鑑定結果が出なかった。こんなことは初めてなので、焦りを浮かべるが、状態が友好ということは敵対するというわけではないのではないのか。

もしかしたら戦わずにすむのではないか?


とりあえず一か八かだ。

「芽依!テイムだ。」


「わかりました!一か八かですね?【テイム】!」


クリスタルスライムがドロップしたスキルオーブで、モンスターをテイムすることができるスキルだ。


戦闘能力のあるスキルを芽依は持っていないので、このスキルオーブを使ってもらった。


「あの…言いにくいんですが…テイムできました。」

僕たちの大規模レイドはここで終了した。





「えっと、はじめまして」

『ばrひうgんゔぁdbgf』

うん、何言っているかわかんない。


「芽依、何って言っているの?」

「助けてくれて感謝する。と言っています。」

「なんであっこにいたんだ?」

「どうしてあんなところにいたんですか?」

なんか不毛な会話をしている気がする。


「あdぎlvhんcbvんcんb,xmcんbvあんfjsdkgcvんb」

「勇者とダンジョン攻略していたら勇者がトラップに引っかかって気づいたらここに居たみたいです。」


「勇者とかいるんだ異世界。チョット行ってみたいな」



その後しばらく聞いていくうちにクレナさんのことがだいぶわかってきた気がする。


クレナさんは異世界の勇者一行の1人である剣聖で、剣の腕では勇者にすら引けを取らないという。

その世界は魔王が支配している世界で、人類の存続のために勇者を異世界から召喚し、魔王討伐を頼んでいるのだとか。


僕たちはルームから出て、一旦ダンジョンからも脱出する。

そのときにクレナさんの戦闘を見たが、そもそも動きが目で追えないレベルだ。

気がついたら、目の前にいてモンスターを倒しているのでもうこの人だけでダンジョン全部攻略できるのでは?

と思うくらいに凄い。


もしテイムが成功しなければ僕たちレイドチームは全滅の恐れがあったかもしれない。



無事ダンジョンから脱出し、受付で事の顛末を説明する。


クレナさんの探索証と身分証の作成を上層部に頼んでくれるようでひとまず安心だ。



「お疲れさま。また、次の土曜日で」

「あ、そうでした明日から学校ですね!いつか時間のある日とかに遊びに行ってもいいですか?」

「わかった。でも来るときは一言言ってくれよ」


うちの学校は部外者は立ち入り禁止だけど、中等部からの立ち入りは原則許可している。なのでちゃんとした理由さえあれば立ち入ることができるのだ。



「わ、たる…」

クレナさんが僕の名前を呼びながら近づいてきた。


『クレナが仲間にしてほしそうにこっちを見ている。仲間にしますか?』


「これからもよろしくクレナ!」


僕はクレナの手を握った。

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