星に願いを
深月 陽真
プロローグ
「流れ星だ!お星様にね、願い事をすると叶えてくれるんだよ」
少女は丘の上で、二人の少年に振り向きながら言った。少女は少年たちの手を引っ張った。
「お兄ちゃんも、蓮も一緒に願い事をしよう」
三人は夜空を見上げ、目を瞑った。
―――
「なんでこんなことになるんだよ。俺たちの願いは優菜を目覚めさせることだろう?恨みたい気持ちもわかる。でも、世界を破壊してしまったら、彼女が生きる世界もなくなっちまうだろう!」
金髪の少年は膝をつき、涙を流しながら叫んだ。黒髪の少年は悲しげな瞳で金髪の少年を見ていた。黒髪の少年の側には真っ赤なドレスに身を包んだ美しい女性が立っていた。
「"ハートの女王"、僕の願いは貴女と同じだ。一緒にこの世界を壊そう」
黒髪の少年はハートの女王に手を差し出した。
「やめろ...。こんなこと、おまえは望んじゃいない。なあ、"ユヒト"!」
金髪の少年は叫んだ。心から叫んだ。だが、黒髪の少年にその叫びは届かなかった。
―――
星は願いを叶えてくれる。そうならば、どうか叶えて欲しい。俺の願いはあの頃から変わない。
ただ、三人で笑って過ごしたい。ただそれだけなんだ。
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