　先生と最初に歌う人を部屋に無理矢理引き入れた。

「マネージャさん。私と手を繋いでください」

　迫る。

　まさかこの女。

　私の最初に歌う人を。

「いや、あのその」

「先生」

「いや、すいません。やめろおまえも。手を握っておまえの思い通りだったらどうするんだ」

「先生をころして、わたしもしぬ」

「なんでだよ」

「え？」

　なんでって。

「私もたぶんあなたのことが好きだから。だめでしょ。好きな人が被ったら」

「こわいなお前」

「そうしたのはあなたでしょ」

「いや、勝手におまえが感情読めるようになっただけだろ」

「いいから先生っ。私と手をっ」

「あっ」

　先生の手を。

　握った。

「ああ」

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