第127話 鑑定のレベルアップ

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 名前 :カヴァノス

 種族名:人族

 職業 :剣士

 状態 :通常

 ステータス:HP  2874

       MP  358

       筋力  1422

       体力  1290

       俊敏  1897

       器用  1354

       精神力 332

       魔力  278

       運   79

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 目の前のギルド職員を鑑定した結果がこれである。何やらHPMPに筋力などのステータスが見えるようになっている。MPがゼロになれば魔法が使えなくなったり、HPがゼロだと死んだりするんだろうか。

 そう単純なものでもないと思うけど、指標にはなるかもしれない。筋力と体力と俊敏はわかるんだが、精神力と魔力ってどう違うんだろう。魔法防御と魔法の威力に関係するんだろうか。にしても一番謎なのが運だな。いったいどこに影響してくるのかまったくわからん。


「……どうかされましたか?」


「あ、いえ、なんでもないです。えーっと、帝国で海の幸がおいしい街はどこなのか知りたくて」


 ステータスの考察はあとでやろう。今はギルドに来た目的を果たさないと。

 詳しくギルド職員に確認したところ、乗合馬車でここから南西に九日ほど進んで帝都へと入り、そこから一日かけて南へ行ったところにある港町が漁業が盛んだとのことだ。

 聞けば生で食べる刺身もあるとのこと。これはぜひとも行ってみなければ。


 お礼を言ってカウンターから離れると、ギルド内にいる人物へと片っ端から鑑定をかけていく。どうやら最初に鑑定したギルド職員よりもステータスの高い人物はいないようだ。冒険者ランクは不明なので、どれくらいのステータスでどのランクなのかはいまいち判別もできないが。

 そういや莉緒はどんなステータスしてるんだろうか。


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 名前 :水本 莉緒

 種族名:人族

 職業 :賢者

 状態 :通常

 ステータス:HP  8513

       MP  131920

       筋力  5693

       体力  5307

       俊敏  5692

       器用  6285

       精神力 42174

       魔力  79228

       運   1083

 =====


「おわっ」


「……どうかした?」


 思わず漏れた声に莉緒が首を傾げている。


「いや、ついさっき鑑定がレベルアップしたみたいなんだけどな」


「おおー、そうなんだ。おめでとう」


「ありがとう」


 そして莉緒を鑑定した結果を伝える。いつの間にか職業が賢者になってるけど、文字の濃さは相変わらず薄いままだ。適性が低いってことなんだろうけど相変わらずどういう仕組みなのか不明だ。この魔法職寄りの高ステータスをみれば適性ばっちりに見えるんだけどなぁ。


「そういえば師匠が言ってたわね。私の魔力成長率って百倍なんだっけ」


「その割には精神力も高いけど、何かしら似たようなステータスは影響し合うってことなのかな」


「かもしれないわね」


 どっちにしたって仕組みはわからんのだから、そういうもんだと思っておこう。


「なんにしても、参考にはしてもいいが当てにするなって話だったな」


「ええ。だからか師匠も具体的な数値は教えてくれなかったし……」


 そうなのだ。鑑定で見えるステータスの数値は身体強化や他のスキルでの強化を加味しない、素の値なんだとか。なので最低限の強さとしての指標にはなるけど、数値を比較しての強さ判定は意味がないと。

 まぁそれでも何かしらの目安にはなるだろうけど。


「柊のステータスはどうだったの?」


「そういえばまだ見てなかったな」


 ということでいざ、自分を鑑定だ。


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 名前 :水本 柊

 種族名:人族

 職業 :魔闘拳士

 状態 :通常

 ステータス:HP  42567

       MP  32980

       筋力  28465

       体力  26536

       俊敏  28460

       器用  31423

       精神力 21087

       魔力  19807

       運   2411

 =====


「お? おおお!」


 無職じゃなくなってる! 薄ら文字だけど無職じゃなくなってるぞ! 魔法を使いつつガントレットを装備しての格闘術をメインにしてたからかな。やっぱり特化したスキルがあれば職業が現れるということなんだろうか。うん、そんな気がするな。


「うわぁ、さすが柊よね」


 俺のステータスを聞いた莉緒が感心するようにうんうんと頷いている。さすが成長率マシマシといったところか。魔法関連は莉緒に任せている部分があるから、ちょっとだけ物理寄りなところがあるのが見て取れる。


「わふぅ」


 ステータスについてあれこれ莉緒と話をしていると、ニルが割り込んできた。

 はっはっは、そんなにお前も鑑定して欲しいのか。どれどれ、ちょっと見てやろうではないか。


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 ステータス:HP  58087

       MP  5209

       筋力  10873

       体力  35609

       俊敏  16904

       器用  6872

       精神力 5098

       魔力  4720

       運   534

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 おおー、なかなかの高スペックな気がするな。他の魔物のステータスは知らないが、Sランクの魔物となればこれくらいと覚えておこう。


「ちょっとギルドの訓練場に行ってみない?」


「うん?」


 莉緒の提案に首を傾げるが、続く説明を聞くとなるほどと納得した。


「訓練場での戦いぶりとステータスの関連性がちょっとわかるかもしれないわよね」


「そうだな。漠然と数字だけ見てもわからんし、ちょっと覗いてみるか」


 そうと決まればさっそく行ってみるしかない。

 そこそこの規模のギルドであれば併設されている訓練場へと向かうことにした。

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