第2話 スライム初めての魔王城

 魔王城から呼び出しを受けた強士は、慌てて魔王城ヘ、向かいました。 (1年1月8日)


「やっと着いた」


 野宿をしていた所から近いと思っていたが、歩いてみたところ3日もかかってしまいました。

 目の前には魔王城の大きな門が構えていました。あまりの大きさに目玉が少し飛び出た強士。横にいた門番悪魔にギロリとにらまれ、チビりそうになりました。


「お前は雷から落ちてきた魔物か?」


 と、門番に言われ強士は、黙ってうなずいた。なぜ雷と共に生まれたのか自分でも分からないものの何か理由があってそうなったんだと、自分の胸に言い聞きかせました。


 その時、門番悪魔がゴニョゴニョと何かを唱えると門が淡く光り自動で開きだしました。初めて魔法を目の当たりにして好奇心をくすぐられた強士。扉をあちこち見ていたら、案内係悪魔が来て怒った口調で「早くこっちへ来い」と言われました。


「はああ魔王城って広いなぁ」


 20分間歩かされたので愚痴がこぼれます。外の門にも引けを取らないほど大きな門の前までたどり着くと、案内係の悪魔から


「この先に魔王様がいる。下手なことは言うなよ」と言われました。

「ま・・・魔王様・・・?」


 魔王城に来いと言われたもののまさか魔王様からの直々の用だとは思ってもいませんでした。恐る恐る中に入ると、既に9匹の様々な魔物が部屋にいました。俗に言う、ゴブリンやオーク、人形の骨のモンスターやゾンビ、強士と同じくスライムが数匹いました。あれ…?魔王様がいない?と思ったその時。奥の壁に影がユラリ黒い影が壁に集まっていきます。そして頭の中に声が響きました。


「我は16万代目魔王、十雷じゅらい。お前たちは、何家なにけであろうか?」


 これも魔法なのでしょうか?しゃべっていると思われる黒い影はユラユラと揺らめいていて本物ではないのかもしれません。周りのスライムたちは口々に家名を名乗ります。


 そこにいたゴブリンは「弱家じゃくけ」、オークは「王家おうけ」、赤いスライムは「本家ほんけ」、ゾンビは「衣食住家いしょくじゅうけ」その他5家が何て言ってたか覚えていません。


 そして強士は「最強家さいきょうけです!」と自分の家名を力強く言いました。


「よくわかった。これからさらなる力をつける為、数を増やせ!その為にも結婚相手を探してくるのだ」


 と魔王様が言い放ちました。


 け・・・結婚・・!?。僕には早くない?そう考えながら最強家の物語が始まるのでした。

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