スイートアリッサム
最も価値あるものは美しさで、更に若さが加われば何にも勝る価値があるんだってママが言ってたから、私は最高なんだと思う。JKで可愛い、最強じゃん。
男なんてちょっと上目遣いしただけで即落ちるし、女だって可愛い子と友達になった方が何かと得だと思ってるから寄って来るし、気さくな性格を演じておけば嫌われるなんてことはあり得ない。勉強とか運動とかは好きじゃないけど、先生に愛想振るうだけで成績もそんなに悪くされないし、私の人生、イージーモード。
そう思っていたから、初めて心底好きになった人から一言で振られた時、その言葉の意味が理解できなかった。
「性格ブスは願い下げ」
ブス、なんて罵倒は初めてだった。と言うか、罵倒自体が初めてだった。これまでの人生で、私のことを悪く言う人なんていなかった。え、だってこの私だよ? 大丈夫、ちゃんと目、開いて見てる?
信じられずに唇を震わせるばかりの私に、彼女はふっと微笑んだ。罵倒されたばかりだと言うのに、その微笑みにクラっとする。
「せっかくそんなに可愛いのに、性格で全部台無し。性格も可愛くなったら、その時は考えてあげても良いけど」
そう言って立ち去る背中も、やっぱり好きだ。悔しいけど。
だから帰り道で、生まれて初めて書店に寄って、可愛い性格になる方法を真面目に探してる。うん、こうやってすぐに前向きな努力を出来る私って、やっぱり最高。
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