「レクイエム」作者 鴉 様
次の感想は、鴉 様の「レクイエム」です。
https://kakuyomu.jp/works/1177354054889961461
色々な要素が含まれた物語でした。
青年の人生の再チャレンジ物語、オカルト要素に、青春ドラマに、パワハラや精神疾患の人のための社会問題……。
これからどうなるのかな?どういう展開になるのか、まったく読めなかったので、ぐいぐい読み進めました。
基本は和彦視点で進み、彼の恋愛面、社会人としての悩み、諦めた夢への想いが浮き彫りになっていたと思います。
また時折現れる鴉の暗示、別れた彼女。
これが普通のヒューマンドラマとは違うところでしたね。
癖のある登場人物が多くて、人間臭くてよかったです。
文章は以前読んだ作品と同様、読みやすかったです。
今回は時々別視点が混じるので、ちょっとだけ戸惑った部分もあります。
(鴉様よりリクエストがあったので、下記にネタバレ感想を付け加えます)
☆
別れた彼女のこともあったのか、夢を忘れた主人公の和彦は、ブラック企業で心を削られながら働いていて、空いた時間はゲームにはまっている。
しかも精神疾患も抱え始めて……。
社会問題をすべて抱えた主人公、という感じで始まるのですが、新しい派遣社員の咲と出会い、夢を思い出していく。
このまま、夢にまっしぐらか、と思ったら、別れた彼女が現れたり、鴉を見るという「精神疾患」に煩わされる。
元彼女によって、鴉の正体が明らかになるのですが、ここで精神科医に対して不信感を湧きました。
心霊現象を信じない医師は理解できますが、端的に和彦の症状を統合失調症としてしまうのがちょっと、あまりにもお粗末かなあと。もし、そう診断を下さないと、彼も追いつめられることもなかったかもしれないですね。
咲なのですが、徐々に和彦に惹かれていく描写が最初はなくて、これは本当に仲間としか思っていないのかなあと少しがっかりしました。でも誘うようなことをするので、ちょっと軽すぎる女の子だなあと冷めた目で見てしまうこともありました。
会社のヒステリーばばあだった美智子が徐々に味方になるのがよかったですね。それにしても何人も退職に追い込んでいるので、まあ、許せないキャラではありますが。
和彦と同僚一平と関係も結構薄いなあと思いました。
小説の世界で考えすぎなのか、現実の友情はこんなものかもしれませんね。
最後に向かって、トントン拍子で話が進んでいくのは、旨すぎと思いましたが、ある種の爽快感もありました。
和彦も咲も、あの環境の中、夢を掴んで幸せになってよかったなあ。
けれども最後の最後で、鴉で見せてくれましたね。
終わり方が、琴音からの警告みたいでタイトルを暗示していて面白かったです。
以上ネタバレ感想でした。
この度も企画に参加くださりありがとうございました。
次の感想は、 アズサヨシタカ様の「ウィザードリィ・コンプレックス」です。
https://kakuyomu.jp/works/1177354054890417212
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