　全国の約1億2650万人ひとりひとりに1億円ずつが配られた。

　国民全員が同時に1億円を得ることにより当然パニックが起こった。

　1分でそのうちの約100億円が使用された。

　その503秒後にあらゆる銀行組織の全システムがシャットダウンされた。

　その6500秒後ベルジャネーゾ卿が銀行に並んでいる映像がTVで映された。

　その後その1億円はどうするか、なかったことにするべきかという話になる。

　それでは使った人と使われた人はどうなるのか、俺は確かに1億円を得ていたのに！

　どうしようもないという結論になった。

　結局謎の1億円は全額が非常の特例税金として国が徴収して半永久的に封印することになった。

　22時間後には強制徴収の実行がはじまった。

　1億円のうち1500円でAmazonで買い物をした人からも1億円が徴収された。

　つまり1億円全額使った人からも1億円全額が徴収されることになった。

　1億円を得て12秒で全額を使ったAさんや20秒で半額を使ったBさんや55秒で全額寄付したCさんなどは首を吊った。しかしDさんは首を吊らなかった。ロイヤルスイートからの飛びおりだった。

　そうして全国のおよそ4人がABCDさんたちとして死んでしまった。

　1分で金を使ったが別に死のうとはしなかったほかの大多数は、理不尽な徴収だと国を訴えて争っている。

　そして各地で暴動が起こっている。

　この“配布”は何者かによるテロだったらしいが詳細は未だ明らかになっていない。

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