エロゲの詩

 寒くなった遠くの方 ちっぽけなエンジン音

 埃だらけのパソコン ちっぽけなエンジン音

 白々しい蛍光灯の下 ちっぽけなエンジン音


 著名な哲学書を読みました 忘れました

 難しい数式を解きました 忘れました

 世紀の大発見をしました 忘れました

 今ここで生きていることを忘れました

 明日死ぬためのすべてを忘れました

 今は


 寒くなった遠くの方 ちっぽけなエンジン音

 埃だらけのパソコン ちっぽけなエンジン音

 白々しい蛍光灯の下 ちっぽけなエンジン音


 うどんの作り方を覚えました 忘れました

 あの芸人の年齢を知りました 忘れました

 オシドリの習性を調べました 忘れました

 今ここで生きていることを忘れました

 明日死ぬためのすべてを忘れました

 今は


 ちっぽけなエンジン音

 今は

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る