希死念慮

 真夜中にがんがんがんがん金槌の音

 うるさくて眠れやしねえ


 サボテンの花が咲かないからって泣くな 泣くな

 せめて笑え せめて笑え

 どうせ明日には海の残滓


 今度はかんかんかんかん火打ちの石の音

 やるなら来年の晩にしてくれねえか


 「さあさあ 死にたがりどもめ 今日も踊れ

  鳩の尾を血眼で追いかけながら」


 今何時だ 開くのは十時だ

 おれは無法者ではねえんだよ おれは無法者ではねえんだよ

 七色の錠剤はどっかいった ついでに保険証もどっかいった

 ユーカリの花が咲かないからって泣くな 泣くな

 せめて笑え せめて笑え

 どうせ明日には天の藻屑


 「さあさあ 死にたがりどもめ 今日も踊れ

  霧のような雨にいつまでも打たれながら」

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