ひとりぼっち
昔から曲がったことが大好きで 歪んだ鉢を集めては悦に浸っている
たわしで歯を磨き 汗だくで躓く人を指差し笑うのを日課としている
渋滞の騒音を聞きたくないから ツバメの巣を避けて逃げ惑っている
ビールの空き缶を踏み潰しながら 壊れた羅針盤を後生大事に抱えている
自転車に二人乗りする少年少女に中指を立て
橋の下で泥になっている野良犬を見下ろし
善意の集金会場を恐れてそそくさと通り過ぎ
光り出す四角の群れに本日も怯え慄きながら
ぶつくさぶつくさ 箱の隅で喋っている 耳詮をして
睡眠薬が足りないから買いに行こう
財布の中には二銭銅貨 どこにも捨てられず
睡眠薬が足りないから買いに行こう
灰の壁から染み出す酸素で窒息しないために
光り出す四角の群れに 本日も怯え慄きながら
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます