第41話 決勝トーナメントの行方
Aブロックの3回戦、僕と先輩の試合が終わるとほぼ同時に始まった、今大会最大の注目を集める試合、Cブロックの
他のブロックの試合も一時中断の形になって全員の視線がCブロックに注目したから、Cブロックの審判、
互いに一歩も譲らぬ勝負を繰り広げた結果、10-10まで行った。
予選のルールにより、どちらかが11点を取った時点で勝負有りだから、泣いても笑っても次で決まる。大歓声の中、美津先生が最後のサーブを行うべく、左手のピンポン玉を軽く打ちあげ、コップヌードルで叩いた!
美津先生のサーブで始まった対決は雪佐先生が気合を込めて打ち返し、それを所司先生が物凄い勢いのスマッシュで跳ね返したかと思ったら、それを壱語先生が鮮やかに打ち返し、そのままラリーの応酬となった!耳が潰れるんじゃあないかという位の大歓声の中、勝負は延々と続くかと思われたけど、雪佐先生の意地の一撃が所司先生のコップヌードルの僅か先を駆け抜けた時、ほぼ全員が『ウォーーーーー!』と大声を上げると同時に両手を突き上げた。もちろん、僕も先輩も例外なく大声を上げたけどね。
試合が終わった後、雪佐先生と所司先生、壱語先生と美津先生が互いにガッシリ握手をした時には、割れんばかりの拍手が沸き上がったのは言うまでもない。
この熱戦の後、全てのブロックの机(?)で試合が再開された。
でも、想像出来るかと思うけど、Aブロックの決勝では、僕と先輩のペアは1年C組同士のペアの
「・・・それでは、明日の決勝トーナメントの抽選を行います」
全てのブロックの1位、2位が決まったところで姉ちゃんが決勝トーナメントの抽選会の開催を宣言したので、ほぼ全員の視線が姉ちゃんに集まった。
抽選と言っても簡単だ。2つの箱が用意され、各々の箱にはAからHまでの番号が書かれた紙が入っていて、姉ちゃんから見て右側が1位、左側が2位のペアだ。姉ちゃんの引き方次第では、予選ブロックの決勝と同じペアが決勝トーナメント1回戦で当たる可能性もあるけど、そこは運という事で諦めるしかない。
「・・・では、まずは第一試合から」
姉ちゃんは右手と左手を同時に箱の中に突っ込んだ!
そのままサッと手を取り出したかと思ったら、右手は『A』、左手は『C』と書かれた紙が出てきた。これで決勝トーナメント第一試合はAブロック1位の山口君と大牧場さんのペア、Cブロック2位の
「・・・続いて第二試合」
姉ちゃんが再び右手と左手を同時に箱の中に突っ込んだけど、サッと取り出した時に握っていた紙には『E』と『B』と書かれていた。Eブロックの1位は姉ちゃんと強井先輩の生徒会ペアだけど、Bブロックの2位は
こうやって姉ちゃんは次々と箱の中に手を突っ込んで第6試合までの対戦が決まったけど、左の箱から『A』という札はまだ出てこない。僕たちは第7試合か第8試合という事は分かっている。全ては次に姉ちゃんが箱から取り出した紙で決まるのだ。
でも・・・残った3ペアというのは、いずれも注目度抜群のペアばかりだ!
Cブロック1位は優勝候補筆頭の雪佐先生と壱語先生のペア。Hブロック1位はインターハイ出場経験がある卓球部3年生、
「・・・続いて、第7試合」
姉ちゃんが右手と左手を同時に箱の中に突っ込んだけど、サッと取り出した時に握っていた紙には『H』と『G』と書かれていた。つまり、第7試合は生徒同士の注目のペアが対戦し、第8試合で僕と先輩は優勝候補筆頭の先生同士のペアと対戦する事がこの時点で決まった!
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