第35話 翠露の迷宮1
その後、みんなでダンジョンに行く準備を行う。と言っても森に採取に行ってるので、あまり追加する装備は無いのだが、もしもの事を考えて、野営の準備と非常食等を追加で揃えた。
ソウタはアイテムバッグを持っているが、ナナミとモモカもコエザからアイテムバッグを貰って、ダンジョンに行く為の様々な用具と食料を収納した。
翌日は朝からみんなでダンジョン『翠露の迷宮』に行った。
ソウタとヤフジとカモリナが冒険者証を提示して、その後ろをナナミ、モモカ、ハルナ、ユナ、テロツがついて行き、ソウタの足元に雷獣のリャンゾウが歩いている。
「訓練を兼ねてるから、採取士のナナミ、モモカ、ハルナ、ユナ、テロツの5人がメインで行くんだぞ。他のメンバーはアドバイスとフォローだな」
「「「「「はい」」」」」
ヤフジがそう言って、5人を前に行かせた。5人の中では、モモカが探索担当になる事から先頭を歩く。
次はテロツだ。テロツは円形の小盾とショートソードを持つ前衛タイプだ。
ハルナは弓、ユナは魔法で後衛職になる。
ナナミは……。
(そう言えば、ナナミは錬金術のスキルがあるとコエザさんに聞いたけど、戦闘のイメージが無いなぁ。鑑定で見た事も無かったよ。どれどれ)
ソウタは鑑定のゴーグルを装着し、リャンゾウに魔力を流して貰った。
名前:ナナミ
性別:女
スキル:薬師、薬効
(薬師? 錬金術じゃ無いじゃん。いや、寧ろ錬金術より薬師のスキルの方が回復薬等を作るのに優れていそうだ。そして薬効……?)
ソウタは薬効を更に鑑定すると、
【薬効】
各種薬の効果が上がる
(これって、回復薬等の効果が上がるって事だよなぁ。回復職として活躍出来そうだが、戦えるのか?)
「ナナミ、ナナミは薬で回復する役目になるのか?」
「ん~、そうだけど、毒薬や睡眠薬、痺れ薬も使えるから、攻撃補助も出来るかな」
「おお! 良いね」
(割と便利なスキルなんだね。毒薬や睡眠薬の効果も上がるんだな)
『翠露の迷宮』の入口は洞窟だが、洞窟を降って歩いて行くと、森に出た。
木々の葉が生い茂る緑が多い森だ。
(うん、そうそう。こんな感じのダンジョンだったなぁ。何だか思い出して来たぞ。地下1階はコボルトとグリーンスライムが出るんだったかな)
先頭のモモカが魔力探知のスキルで警戒しながら進む。
(前方にコボルトが隠れているキュ)
リャンゾウが俺に教える。
(流石、リャンゾウだ誰よりも探知が早いね。モモカの訓練でもあるから、危なくなったら助けてあげて)
(分かったキュ)
ソウタはモモカがコボルトを探知して、倒す事が出来るのか心配で、ドキドキしながら、モモカ達の後をついて行く。
カモリナが俺の隣で耳と鼻をピクピクさせて、俺に目配せした。
流石獣人だ、聴覚と臭覚が鋭いらしい。
俺はしてモモカ達に任せるようゼスチャーでカモリナに伝えると、カモリナは無言で頷き、万が一の為、武器を手に取った。
カモリナの武器は鞭だ。
カモリナは黒革のタイトな鎧を身に着けていて、ちょっと露出が多ければSMの女王様風になる装備だが、露出が少ないので、ギリギリ女王様では無い。
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