無能と罵られパーティーを追放された勇者、実は最強

第11話 装備の新調

昇格試験を終えた俺はアウロラと合流したが、

昇格試験が思ったよりかなり早く終わってしまったため

広場のベンチに座って少し暇をつぶしながら何をするか考えている。

「.....さま、ご...じんさま、ご主人様！」

「ん？なんだアウロラ？」

「さっきから何度も読んでいらしたのに、何か考え事でもしているのですか？」

「あぁ、時間が有り余ったんでな、何かすることはないかって考えてたんだが何も思い浮かばなくてなぁ」

「そういうことならご主人様の装備を新調しましょう！」

「おぉ、それはいいな！そういえばアウロラは装備は大丈夫なのか？」

「私の装備ですか？私は戦闘用の服ではないのでそもそも装備と言えるかどうか...」

「じゃあ、アウロラの装備も買いに行くか！」

「あ、ありがとうございます、ご主人様！」

鍛冶屋は広場から少し離れた場所にあったため探すのに少し時間がかかった。

鍛冶屋の外見はそこら辺の民家に看板だけ立てた感じだ。

質のいい武器は並んでるのかな？

扉を開けてみると、そこには見ただけで魅入られそうなきれいな形をしている剣や槍、斧などが多く並んでいた。

おお！これは期待できそうだな！

正面の台の奥にはいかつい感じの中年の男性さんが立っていた。

「らっしゃい」

「初めてここの店に来たのでここ一番の弓と短剣を見せてくれ」

何故弓と短剣かというと、アウロラが使う武器は弓か短剣がいいと言っていたからだ

まぁ理由はもう一つあって単純に剣を持たせて前衛でけがをしてもらいたくないからだ。

クロウが一番のものを見せてくれというと、呆れた顔をしながら店の中に並んである

弓と短剣の中からそれぞれ一つずつ手に取って渡してくれた。

だがここで違和感を感じる、弓のほうはつくりはなかなかいいものだが使われている素材は普通の鉄だ。短剣のほうは魔力鉱石と言って鉱石に込められている魔力によって強度が大きく変わってくる鉱石なのだが込められている魔力が店一番と言われている剣にしては少ない。

「これが本当に店一番の弓と短剣なのか？つくりはとてもいいが使われている素材の質がとてもじゃないが高いとは言えないぞ」

「おお、それに気づいたか。そんなお前さんには奥の部屋にある武器を見せてやる」

「それはありがたいが、なんでこんなことをしたんだ？」

「それはな、最近の冒険者は金がたまったらすぐに新しい装備に変えようとする。

そのため、自分の実力に合っていない装備ばかり買おうとする。そんな奴には俺の気合を込めて鍛えた奴らを与えたくないからこんなことをやっているんだ」

「そういうことだったのか」

そういって、店の人に理由を聞きながら店の奥のほうへと進んでいく。

店の奥にある扉を開けるとそこには先ほどまで並んでいた物とは比べ物にならないくらいの品質の武器や装備が多く並んでいた。

あまりにすごかったのでアウロラが

「ご主人様！こんなにきれいですごそうな武器がいっぱいありますよ！」

そういいながらはしゃぎながらいろんな武器を触ったりしていたので店の人が怒っていないかと思い店の人を見たが少し笑っていたので安心した。

「こんなにすごい武器を打っているなんてすごいですね、そういえばあなたの名前は？」

「俺の名は、ダグラスだ、あんたの名は？」

「俺はクロウです」

「クロウか、それじゃあクロウ、この中から好きなだけ買って行ってくれ」

そういわれたので多く並んでいる武器の中から真剣に選んでいく。

1時間ほどたってアウロラが完全に装備を見ているのに飽きたころに選び終わった。

自分用に買った装備は古龍鱗の鎧と古龍鱗の籠手、ミスリルヘルム、

ミスリルグリーブ。

ちなみに古龍鱗の鎧と籠手の素材となったのはクロウが倒した古代種のドラゴンだ。

ドラゴンはもともと白色の鱗だったのと、ミスリルは白銀なので全身が白色になってしまった。

アウロラはミスリルローブに念のため鎖かたびらを買った。

アウロラはローブにデザインが少しあったため全身白ということにはならなかったが

代わりに天使のような見た目になって女性らしさが今まで以上に出ていた。

武器に関しては、クロウは聖剣があるので必要がなく、アウロラはミスリルの弓と質の良い魔法鉱石が使われている短剣にした。

「おぉ、なかなかいいもん選んだじゃねーか」

そういってなぜかダグラスが拍手をしていた。

「今回は、良い買い物をさせていただきました！またいつかここでいい買い物させてもらいますね！」

「おうよ、でもあんまり多く来ると装備売らねーからな！」

何故そんなことを言うかというと、遠回りに大事に使えよって意味とすぐ装備壊したら容赦しねーからなって意味が込められている。

しかし、アウロラは意味が分かってなさそうで不思議そうな顔をしていた。

ダグラスに感謝の気持ちを伝えて店から出た時には日がすでに沈みかけていたので、このまま宿に帰って夕食を食い、明日の準備を終えたら眠気が一気に来たので、そのままクロウたちは眠りについた。

「称号『Sランク冒険者』『人類最強』を獲得しました」