巻積雲

 昼下がり

 君はソファで横になり

 腹に毛布を掛けて夢の中

 僕はその傍で座り込み

 本を読んでいる


 時計の秒針の音が響く静かなひと時

 窓から風が入り込み

 カーテンと戯れている

 ちょっと肌寒い

 カーディガンを一枚上から羽織る

 マグカップから立ち上る湯気が揺らめいた

 金木犀の爽やかな香りが舞い込んでくる

 いわし雲が浮かぶ青空

 外で遊ぶ子供達の歓声が聞こえる

 きっと鬼ごっこをしているに違いない


 寝息をたてる君の傍で

 時計が三時を告げようとしている

 さて お茶を淹れ直そうか

 先程はダージリンにしたから

 今度はアールグレイにしようか

 君はそれが好きだから


 こんな穏やかな日が

 変わらず続けば良いのにな

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