第2話 禁断の遊び
アリスが爽太のクラスに来てから2週間がたった。
アリスは日本語がまだ不慣れなこともあり、爽太のクラスとは別の教室で授業を受けていた。爽太のクラスにやって来るのは朝と放課後のホームルーム、昼休みぐらいだったが、アリスはクラスの女子全員と仲良くなり、人気者になっていた。
可愛くて美人なルックスなうえに、好奇心旺盛でいつもニコニコと明るい笑顔。日本語があまりしゃべれなくても、クラスの女子達と大袈裟なジェスチャーで笑いながら会話を楽しんだり、かと思うと、ちょっとしたイタズラや変顔などをして周りの皆を笑かすなど、もはや女子達にとってアイドル的存在だった。
もちろんそれは爽太を含めた男子達にとってもそうで、アリスとお近づきになりたい気持ちがあった。だがクラスの男子達はアリスと中々話す機会がなかった。
それはアリスがクラスにいる僅かな時間を、女子達が毎回独占してしまうという理由があるのだが、それよりももっと大きな要因があった。
そのせいで、アリスはいつも周りの女子達に囲まれていた。まるで男子から守る壁のごとく。
アリスは男子ともしゃべろうと近寄ろう試みるのだが、周りの女子達がそれを許さなかった。
アリスはその度に不思議な顔をしていた。
一体どうしたの? といった様子で。
転校してきたばかりのアリスはこのとき知らなかったのだ。爽太のクラスの男子の間で流行っていた遊びを。その遊びはアリスが来てからピタッと鳴りを潜めていたことを。その遊びは女子を敵に回す禁断の遊びだということを。
だがその禁断の遊びは、アリスの初めての掃除当番の時に、封印がとかれることになった。竹本爽太の手によって。
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