第3話 やけにリアルな異世界へ


「ピピピコーン!」


どこかで聞いたことがある効果音で目が覚めた。この「ピピピコーン!」はソーマジック・サーガのゲームスタート時に聞こえるお馴染みの音である。


周りを見るとゲーム最初のチュートリアルステージと同じ雰囲気。これは凄い!本当にゲームの世界みたいだ。日本のVR技術も凄いレベルに達したんだなとしみじみ感心。俺は興奮しながら立ち上がるといきなり目の前が光り、ゲームでお馴染みの女性キャラがそこに出現した。


ゲームでもスタート後のチュートリアル画面で登場する人気キャラクターの「シーナ」。派手な衣装におとなしめの雰囲気というギャップがたまらない。アニメショップに行けばグッズも売っている人気キャラだ。


『ナカジマツヨシ様。ようこそ惑星エヌへ。これからナカジマツヨシ様のチュートリアルを開始いたします』


おぉ凄い、これはリアルだ。しかし、なんだ、やけにリアル過ぎる気もするな。ゲームと違ってキャラの色や声のトーン、実在の人物がそこにいるようだ。あの機械を使うだけでこんな体験ができるとは。あらためて興奮が止まらない。


『ナカジマツヨシ様のジョブは伝説の宝玉クリア時の魔法戦士となっております。このジョブは変更できません。


初期装備はレベルに合わせて以下の中から選択してください。なおA級装備は一つまで、B級装備は2つ、C級は3つまで装着可能です』


なるほど。最初から最強装備というわけにはいかないんだな。まぁいきなり俺つえーじゃ盛り上がらないかもしれないし、これはしょうがない。


「メイン武器はやっぱり剣だな。さすがにS級のフレイムソードやドラゴンキラーは無理か。まぁA級でも大丈夫だろう」


というわけで、メインの武器はA級の「颯の剣(はやてのつるぎ)」を選択。この剣は風魔法の威力を増加させる特殊効果を持つ優れものだ。ゲーム時からお気に入りの武器でもあった。初期レベルではそれほど威力はないが、先々いろんな使い方ができる。


防具はB級の鎧と籠手を選択。剣が両手剣なので、盾はあえてなくした。そして靴とゴーグル、予備のナイフをC級で固めて装備はOK。レベル1のスタート装備としては上々だろう。



★メイン武器:颯の剣(A級)


★サブ武器:ナイフ(C級)


★防具:鎧(B級)籠手(B級)靴(C級)ゴーグル(C級)



『以上で装備のチュートリアルを終了します。続いてスキルについて説明します。


特殊スキルは現在のレベルでは使えませんが、初期スキルとして3つのスキルを付与いたします。言語理解、初期鑑定、初期収納の3つです。


言語理解はこの世界の人族が利用する文字、言葉を話し、聞き、書き、読むことができます。ただし龍人族を含めた一部の言語は、現時点でのレベルでは理解できませんのでご注意ください。


初期鑑定は現時点でレベル1までの物質を鑑定することができます。今後レベルアップに応じて上級鑑定まで上げることができます。


初期収納は10個までを異空間に収納できる能力です。大きさに制限があります。現時点で生死に関わらず植物を除く生物の収納は不可能です。今後レベルアップに応じて上級収納まで上げることができます。


なお現時点で初期収納には5つのアイテムが入っています』



「初期アイテム」


体力回復ポーションB×3

※体力を50%、怪我と状態異常を回復するポーション。販売不可、非売品。


魔よけの花崗石×2

※割ると石の中に含まれている魔よけ効果のある成分が溢れ、半径50mほどに効果がある。時間は10時間。効果がないモンスターもいる。モンスターに捕捉されてからは効果がない。



『初期アイテム以外のアイテムを以下の中から5個選択してください』


「選択可能アイテム」


・体力回復ポーションB


・魔よけの花崗石


・助けの呼び笛

※半径2㎞ほどに人にしか聞こえないSOS信号を発信。助けに来るかどうかはあなたの運次第。


・水

※10日分の水を凝縮したボトル


・食料

※10日分の食糧。圧縮魔法で手持ちサイズに変換済み。1日ずつ使用可能だが、取り出し後は圧縮できない


・筆記用具

※ノートとペン。旅の記録に。


・爆力の実

※食べると10分間ほど攻撃力が2倍になる実。味はリンゴと同じ。


・簡易テント

※寝袋とマット付きのテント。睡眠促進と中にいる間は認識阻害や魔よけ効果もあり。かなり丈夫。



これはなかなか悩むな。でも5つのアイテムは、アウトドア派の俺にピッタリの簡易テント、そして水と食料をそれぞれ2個ずつ選択。10日じゃ心もとないと思って2つにした。腹が減っては戦はできないからな。



そして名前は本名のナカジマツヨシから、プレイヤーネームの「サトル」に変更。さすがに本名で呼ばれるのは恥ずかしい。これでチュートリアルが終了だ。


OKボタンを押すと「シーナ」がこっちを見てほほ笑む。


『サトル様。以上で装備選択およびアイテム選択は終了です。この先変更は不可能ですがよろしいでしょうか?』


もちろんYESだ。


『これからサトル様は、惑星エヌにあるイスタ王国の転移の間に移動します。そこであなたが成すべきことが伝えられます。そしてエヌにはあなたと同じゲームクリア者もいるでしょう。


皆で力を合わせ、惑星エヌを救ってください。それではごきげんよう』



結局彼女はゲームと同じで一方的に話すだけだった。もっと会話とかできればいいのにな。そうぼんやり考えていると、周囲が白くなり、そしてゲームで見慣れたイスタ王国転移の間へ移動した。



「衝撃の事実、日本へ戻る方法とは?」へつづく

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