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通報すると、警察はすぐに来た。事情聴取はあまり気分の良い物ではないが、盗品を預かったままにしている方が気分は悪い。寝不足の私は警察に鍵を渡すと、勝手に持っていってもらうことにした。もう二度と、こんな面倒な事態には関わりたくないのだ。
仮眠から目を覚ませば、警察はおおかた出払っていた。私は一応現場の確認をしようと、再び例のコンテナへ向かう。あの日は疲れていたから幻聴を聞いただけで、奇妙な声も老朽化した建物もすべて悪い夢に違いない。なんらかの異常があれば、警察が報告に来るはずなのだ。
規制線を跨ぎ、私は例のコンテナを一瞥した。外観に、錆びは全く無い。やはり、あの日見たのは幻覚だったのだろう。
開け放した扉を通り、内部を観察する。すべて押収したのか、貸し倉庫にはもう何も無い。もぬけの殻だ。揺れる人影もなければ、奇妙な貨物も全て片付けられている。
ふと、笑い声が響いた。例の声が、背後から聞こえるのだ。
私は振り向くことができない。それは徐々に近づき、今は耳元でとある言葉を囁いている。
「やっと あけた」
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